沖縄 伊江島 小型機墜落事故 低高度修正できず墜落か

おととし、沖縄県の伊江島の空港で小型機が墜落し、乗っていた2人が死亡した事故で国の運輸安全委員会は、滑走路に進入する際、低くなった高度を修正できなかったため、墜落した可能性があるとする報告書をまとめました。一方、飛行を記録する装置が搭載されておらず、詳細は明らかにできなかったとしています。

おととし3月、沖縄本島沖の伊江島空港で離着陸訓練中だったNPO法人「メッシュ・サポート」の小型プロペラ機が滑走路に進入する際、手前のフェンスと斜面に衝突して墜落し、乗っていた61歳の男性機長と73歳の男性教官が死亡しました。

この事故について国の運輸安全委員会は27日、調査報告書を公表しました。

それによりますと、本島に設置されたレーダーの記録から、滑走路に進入する際の機体の降下のしかたが安定していなかったほか、目撃者の話や機体の損傷状況から通常より低い高度で進入し、機首を上げた状態でフェンスに衝突した可能性があるとしています。

そして、高度の修正や着陸のやり直しを試みた可能性があるとしたうえで、低くなった高度を修正できなかったため、墜落した可能性があると結論づけています。

こうした飛行になった理由について、伊江島空港での着陸が初めてだったほか、同型機での飛行が2回目だった機長の飛行経験が関係している可能性があるとする一方、飛行を記録する装置が機体に搭載されておらず、詳細は明らかにできなかったとしています。

また、NPO法人については、今回の訓練の状況を把握できていなかったとみられるとしたうえで、組織として計画を作成し管理する必要があったとしています。