東京大学で女性の意欲をそぐ無意識の差別を考える催し

東京大学で、学生や教員の男女比の偏りが課題になっているとして、女性の意欲をそぐ無意識の差別を考える催しが開かれました。

東京大学では、女性の割合が、
▽院生を含めた学生で24.6%
▽教員で17.6%
と、男女比の偏りが課題となっていて、女性の意欲をそぐ何気ない声かけを「言葉の逆風」と称して、無意識の差別に気付いてもらう取り組みを進めています。

26日は、教員や卒業生が自身の体験を交え、学生と議論する催しが開かれ、およそ40人が参加しました。

まず、「なぜ東大は男だらけなのか」と題する著書を出版した矢口祐人副学長が「東京大学は、女子学生の入学を初めて認めた戦後以降も、男性中心の価値観を変える努力が十分ではなかった。入学を志す女性が少ない原因を社会に求めるだけでなく、東京大学にいる男性自身が、変化の必要性を感じなければならない」と話しました。

そのうえで、薬学系研究科の後藤由季子教授が「学生のうちに男性だらけの環境で過ごし、その社会構造を受け入れて育ってしまうと、その概念を再生産してしまう。リーダーを排出する大学が変わらないと社会が変わらない」と指摘しました。

参加した工学部の男子学生は「女性が感じる逆風に気付いていない男性が多いと思う。どんなときに居心地の悪さを感じているのか知ることから始めたい」と話していました。