「PFAS」の基準値盛り込んだ健康影響評価書まとまる

各地の河川などから検出が相次ぎ、有害性が指摘されている有機フッ素化合物「PFAS」について、国の食品安全委員会は、飲料水などに含まれる「PFAS」の基準値を盛り込んだ健康影響評価を正式に取りまとめ、国に対し、適切なリスク管理を求めました。

「PFAS」は1万以上の種類がある有機フッ素化合物で、このうち3種類は有害性が指摘され、国内各地の河川や水道水などで検出が相次いでいます。

25日に開かれた食品安全委員会の会合では、「PFAS」が飲料水や食品などとして体内に入った場合の健康への影響について、ことし1月に作業部会が取りまとめた評価書の案が正式に了承されました。

了承された評価書では、「PFAS」のうち「PFOS」と「PFOA」の2種類について毎日摂取しても問題がない量の基準値が示され、いずれも体重1キログラム当たり20ナノグラムなどとしました。

ただ、現時点では科学的な知見が不十分なため、新たな調査や研究の結果が集まれば見直す可能性もあるとしています。

また、国などに対しては、評価書に基づいて早急に対策や調査を進めることや、PFOSやPFOAなどの使用規制や排出源対策を行うことなど適切なリスク管理を求めました。

評価書は今後、環境省や農林水産省など関係機関に通知され、対策や基準の策定などに生かされるということです。