パリ五輪 バスケ女子 日本代表に林咲希 高田真希ら【全名簿】

パリオリンピックで2大会連続のメダル獲得を目指すバスケットボール女子日本代表のメンバーが発表され、キャプテンの林咲希選手や高田真希選手など東京大会で銀メダルを獲得したメンバーを中心とした12人が選ばれました。

記事後半では日本代表12人のプロフィールやプレーの特徴などを紹介しています。

東京五輪 銀メダルメンバーが中心に

パリオリンピックで2大会連続のメダル獲得を目指す、バスケットボール女子の日本代表メンバー12人が25日発表され、キャプテンには林選手が選出されました。

このほか
▽東京大会でキャプテンを務めた高田選手
▽赤穂ひまわり選手
▽東藤なな子選手
▽馬瓜エブリン選手
▽町田瑠唯選手
▽宮崎早織選手
▽宮澤夕貴選手
▽本橋菜子選手といった銀メダルを獲得したメンバー9人が選ばれました。

さらに、東京大会では3人制の3x3に出場した
▽馬瓜ステファニー選手
▽山本麻衣選手
そして、リオデジャネイロ大会でキャプテンを務めた36歳の
▽吉田亜沙美選手がチーム最年長で選ばれました。

世界ランキング9位の日本は、東京大会のあとからチームを率いる恩塚亨ヘッドコーチのもと「走り勝つシューター軍団」をチームコンセプトに掲げて、持ち味の走力とスリーポイントシュートを生かして、海外勢に対抗するチーム作りを進めてきました。

パリオリンピックの予選リーグ初戦で日本は東京大会の決勝で敗れた世界1位のアメリカと対戦し、続いて、世界19位のドイツ、世界6位のベルギーと対戦します。

恩塚ヘッドコーチ「日本の強み最大化するため12人選考」

日本代表の恩塚亨ヘッドコーチは「日本の強みを最大化するため、あらゆる状況を想定して12人を選考した。23人の候補全員がすべてをかけて挑戦し、チームのために献身的に戦ってくれ尊敬に値する努力だ」とこれまでの選手選考を総括しました。
そのうえで「候補メンバーの思いを背負って勝利を日本に届けたいと身が引き締まる思いだ。残された1か月、チーム一丸となって連係を深め突き詰めて課題を克服し、最高に成長して金メダルを獲得するためにすべてをかけて戦う」とコメントしています。

林咲希 主将「世界一になって日本に」

2大会連続のメダル獲得を目指してパリオリンピックに挑む12人のメンバーが決まったことについてキャプテンの林咲希選手は「走り勝つシューター軍団のコンセプトどおり、どんな相手にも足を止めることなく、日本らしいバスケットボールで世界と戦えるよう、残りの期間もトレーニングを積んでいく。今まで関わったメンバーみんなの思いを胸にコートに立ち、しっかりと登り詰めて、またファンの皆さんの応援も力に変えて世界一になって日本に帰ってきます」とコメントしています。

《日本代表 12人の特徴・プロフィールは?》

◇林咲希(はやし・さき)選手

林咲希選手は日本代表のキャプテンを任される福岡県出身の29歳です。身長は1メートル73センチで最大の強みは、日本代表の戦術のカギを握る高確率のスリーポイントシュートです。

シューターとして勝負どころで決めきる力があり、東京オリンピックでは準々決勝のベルギー戦で、チームがリードを許していた第4クオーターの残り16秒の場面で、起死回生のスリーポイントを決めチームを逆転勝利に導きました。これで勢いに乗ったチームは決勝まで勝ち上がり、史上初めての銀メダルを獲得したチームの象徴的な存在となりました。

真面目な性格で自分のことを「バスケット熱が強く、いつでも一生懸命やってしまうタイプ」と分析しています。

東京オリンピックのあとから日本代表を率いる恩塚亨ヘッドコーチからの信頼も厚い、キャプテンで2大会連続のオリンピック出場となります。

◇高田真希(たかだ・まき)選手

高田真希選手は愛知県出身の34歳。今回選ばれた日本代表の12人の中で身長が最も高い1メートル85センチです。2009年に日本代表に選ばれ、長年チームを支える大黒柱で、銀メダルを獲得した東京オリンピックではキャプテンを務めました。小学5年生からバスケットボールを始め、中学3年生までは空手にも取り組んでいていました。

ポジションはセンターですが、外からのシュートも得意としていて昨シーズンはスリーポイントシュートの成功率が48.53%と、Wリーグで最も高い成功率をマークしました。今回で3大会連続のオリンピック出場です。

アスリートとしてプレーしながらみずから会社を設立して社長に就任したり、YouTubeで自身の情報を発信したりするなどさまざまな活動に取り組んでいます。

◇赤穂ひまわり(あかほ・ひまわり)選手

赤穂ひまわり選手は石川県出身の25歳。父親の真さんは元実業団の選手で、母親も元バスケットボール選手です。姉のさくら選手は同じWリーグのデンソーで、双子の兄の雷太選手はBリーグの秋田ノーザンハピネッツで、それぞれプレーするというバスケットボール一家で育ちました。

身長1メートル84センチで、ゴール下での体を張ったリバウンドの強さが特長で、スピードのあるドライブを仕掛けることもできるオールラウンドなプレーヤーです。

2018年にスペインで行われたワールドカップで初めて日本代表に選ばれ、銀メダルを獲得した東京大会に続いて2回目のオリンピック出場です。

◇東藤なな子(とうどう・ななこ)選手

東藤なな子選手は北海道出身の23歳。身長は1メートル75センチで、持ち味は体の大きい選手を相手にしても当たり負けないディフェンス力です。近年はスリーポイントシュートの精度も磨いていました。

2020年にWリーグの新人王を獲得しました。20歳のときに東京オリンピックに最年少のメンバーとして出場しました。パリ大会でもチーム最年少の選出となります。

◇馬瓜エブリン(まうり・えぶりん)選手

馬瓜エブリン選手は愛知県出身の29歳。愛知県で生まれ育ち、ガーナ出身の両親とともに日本国籍を取得しました。妹のステファニー選手とともに代表入りしました。身長は1メートル80センチで、日本代表では海外の体の大きい選手をマークする役割を担います。
身体能力を生かしたドライブや滞空時間の長いジャンプシュート、そして成功率の高いスリーポイントシュートなど、得点力が持ち味です。明るい性格でチームのムードメーカーを務め、試合中にも仲間を鼓舞する姿が印象的です。

おととしのシーズン開幕前に「人生の夏休み」として、現役アスリートとしては異例の1年間の休養に入り、去年、Wリーグのデンソーで競技に復帰しました。東京大会に続いて2回目のオリンピック出場です。

◇町田瑠唯(まちだ・るい)選手

町田瑠唯選手は北海道出身の31歳。身長1メートル62センチのポイントガードで、視野の広さをいかした抜群のパスセンスが最大の持ち味です。

東京オリンピックでは司令塔としてアシストを量産して、日本の銀メダル獲得に貢献し、FIBA=国際バスケットボール連盟が発表した大会のオールスターファイブにも選ばれました。

その後はバスケットボール女子の世界最高峰、WNBAの「ワシントン・ミスティクス」でプレーして経験を積み、持ち味のパスだけでなくシュート力にも磨きをかけてきました。

けがもあって満足にプレーできない時期もありましたが、昨シーズンはWリーグの富士通を16年ぶり2回目の優勝に導きました。オリンピックはリオデジャネイロ大会から3大会連続の出場です。

◇宮崎早織(みやざき・さおり)選手

宮崎早織選手は埼玉県出身の28歳。身長1メートル67センチの司令塔で抜群のスピードが持ち味です。WリーグのENEOSに所属していて、昨シーズンは競技人生で初めてというチームのキャプテンを務めました。

初めて出場した東京オリンピックでは、ポイントガードの控えで悔しい思いをしたということで、自身2回目のオリンピックでは、チームを引っ張る存在になれるよう強い覚悟で臨んでいます。

◇宮澤夕貴(みやざわ・ゆき)選手

宮澤夕貴選手は神奈川県出身の31歳。身長1メートル83センチの高さに加えてスピードがあり、スリーポイントシュートも高い確率で決めることができるオールラウンドプレーヤーです。

銀メダルを獲得した前回の東京オリンピックでも、チームの得点源としてスリーポイントシュートを高い確率で決め、銀メダル獲得に大きく貢献しました。日本代表には2013年から選ばれていて、2019年に日本が4連覇を果たしたアジアカップで4回の優勝すべてを経験した唯一の選手です。

Wリーグの強豪、ENEOSで長くプレーしたあと2021年に富士通に移籍しました。昨シーズンは同じ日本代表の町田瑠唯選手とのコンビでチームを16年ぶり2回目の優勝に導き、自身もプレーオフのMVPに選ばれました。

東京オリンピックのあとは、一時、日本代表のメンバーに選ばれない時期もありましたが、Wリーグでの活躍もあって、リオデジャネイロ大会から3大会連続のオリンピック代表入りを果たしました。

◇本橋菜子(もとはし・なこ)選手

本橋菜子選手は埼玉県出身の30歳。身長1メートル64センチのシューティングガードで、スピードを生かしたプレーが持ち味です。2018年に初めて日本代表に選ばれ、2019年に日本が4連覇を果たしたアジアカップでは、MVP=最優秀選手に選ばれました。

2020年の日本代表の強化合宿中に右ひざの前十字じん帯を損傷して手術を受けましたが、順調に回復を果たし、東京オリンピック代表に出場しました。今回、2大会連続のオリンピック代表内定です。

◇馬瓜ステファニー(まうり・すてふぁにー)選手

馬瓜ステファニー選手は愛知県出身の25歳。愛知県で生まれ育ち、ガーナ出身の両親とともに日本国籍を取得しました。東京オリンピックでは3人制の3x3に出場しましたが、パリ大会では姉のエブリン選手とともに5人制の代表に入りました。

身長1メートル82センチの高さと高い身体能力を生かしたドライブなどのプレーが持ち味で、Wリーグのトヨタ自動車でプレーしたあと、海外に挑戦し、最高峰のアメリカリーグWNBAのトレーニングキャンプに参加しました。しかし、WNBAのチームと契約することはできず、現在はスペインのチームでプレーしています。

◇山本麻衣(やまもと・まい)選手とは

山本麻衣選手は広島県出身の24歳。父親は元バレーボール選手で母親はバスケットボールの元実業団選手というスポーツ一家に生まれました。

身長1メートル63センチでポイントガードとシューティングガードを務め、素早いドリブルでゴールに切り込むドライブや高い精度を誇るスリーポイントシュートが持ち味です。

高校バスケットボールの強豪、桜花学園からWリーグのトヨタ自動車に進み、東京オリンピックでは初めて行われた3人制の3x3に出場しました。

ことし2月にハンガリーで行われたオリンピック世界最終予選では、カナダとの最終戦でチーム最多に並ぶ21得点をマークし大会のMVPにも選ばれました。

◇吉田亜沙美(よしだ・あさみ)選手

吉田亜沙美選手は東京都出身の36歳で、今回の日本代表メンバーの中で最年長です。切れ味鋭いドリブルと多彩なパスが持ち味の司令塔で、リオデジャネイロオリピックではキャプテンを務めるなど、長く日本の女子バスケットボール界をけん引してきた存在です。

これまでに2度、現役引退を発表し、一時は指導者の道を歩みましたが、去年4月、Wリーグのアイシンに加入し、現役復帰を果たしました。今もコート上では若い選手たちに積極的に声をかけてチームの一体感を作り出しています。

日本代表の恩塚亨ヘッドコーチからは、チームが苦しい状況に陥ったときに、試合の流れを変える役割を任されています。

髪の色が頻繁に変わることで知られていて、プレー以外の面でもファンを楽しませています。オリンピックにはリオデジャネイロ大会以来、2回目の出場となります。