ふるさと納税 ポイント付与のサイト通じた寄付 募集禁止へ

ふるさと納税をめぐり、仲介サイトによる競争が激しくなっていることを受けて、総務省は基準を見直し、来年10月からポイントを付与するサイトを通じた寄付の募集を禁止することになりました。

ふるさと納税をめぐっては、多くの寄付を集めようとする自治体の返礼品競争を防ごうと、総務省が去年10月、返礼品の調達費用など寄付を募るのに使う経費について寄付額の5割以下にするよう基準を厳しくしました。

しかし、その後も仲介サイトが寄付に伴って付与しているポイントの競争が過熱していることを受けて、総務省は基準を見直し、来年10月から、ポイントを付与するサイトを通じた寄付の募集を禁止することになりました。

さらに、これに先立ってことし10月からは、仲介サイトなどが返礼品を強調した宣伝を行わないよう、自治体がサイト側に要請しなければならなくなるほか、1人1泊5万円を超える宿泊施設の利用券を返礼品にする場合は、原則、同じ都道府県内で営業している施設に限るよう見直されます。

松本総務大臣は記者会見で「ふるさと納税は、返礼品目当てではなく、寄付金の使いみちや目的に着目して行うことが意義あることだと考えている。制度を適正に運用しながら自治体の取り組みを後押ししていきたい」と述べました。

総務省 ポイント競争は趣旨からずれる

総務省は、ふるさと納税の仲介サイトを運営する事業者の間でポイント還元を高める競争が過熱していることについて、自治体を応援するという趣旨からずれてきていると説明しています。

ふるさと納税の大手仲介サイトを25日の時点で確認すると
▽「最大50%のコイン還元」としてポイントに交換できるコインを付与するキャンペーンや
▽「合計最大39%ポイント付与」とするキャンペーン
▽ネット通販でポイント還元率を高めるキャンペーンでふるさと納税も対象となることを明記するなど各事業者の間でポイント還元を高める激しい競争が行われています。

各社のコメント

このうち「楽天ふるさと納税」を運営する楽天グループは、ポイントの原資は会社側が負担しているとしたうえで、「今後、総務省より発表される見直し内容の詳細を確認してまいります」とコメントしています。

また「さとふる」は、ポイントの原資は会社側で負担しているとしたうえで、「ふるさと納税制度が安定的に運用され、今後の健全な発展につながる整備であると考えています」とコメントしています。

「ふるなび」を運営するアイモバイルは、ポイントの原資は会社側で負担しているとしたうえで、「詳細については関係省庁に問い合わせ中でございますが、今後も本制度の趣旨の実現を推進してまいります」とコメントしています。

ふるさと納税をめぐっては、総務省が2023年10月から自治体が寄付を募るのに使う経費を寄付額の5割以下とする基準を厳格化するなどこれまでも過度な返礼品競争を防ぐための対応をとってきました。

総務省は、ふるさと納税は返礼品めあてではなく、寄付金の使いみちや目的から自治体を応援するものであり、ポイント競争の過熱は、その趣旨からずれてきていると説明しています。

総務省 “本来の趣旨とはかけ離れていて改善が必要”

総務省は、仲介サイトのポイント目当てで、寄付する自治体を選ぶ人が多くなっているとした上で、こうした状況は「生まれ育った自治体などを応援する」という、ふるさと納税の本来の趣旨とはかけ離れていて、改善が必要だとしています。

また総務省は、ポイントを付与する仲介サイトを通じた募集を禁止することで、自治体がサイトに支払う手数料を減らすことができれば、集めた寄付をほかの事業に使えるようになるのではないかとしています。