にんじんは平年の1.5倍 一部の野菜で高値続く 農林水産省

天候不順などの影響でにんじんの店頭価格が平年の1.5倍になるなど、一部の野菜では依然、高値が続いています。
農林水産省は、夏の高温など今後の天候が生育に影響しないか注視したいとしています。

にんじん じゃがいも トマトなどが値上がり

農林水産省は、にんじんやたまねぎなど主な8種類の野菜の店頭での価格を全国470か所で毎週調査しています。

それによりますと、先週17日から19日までの平均価格は、平年と比べてにんじんがおよそ1.5倍になっているほか、じゃがいもはおよそ3割、トマトとたまねぎはおよそ2割、それぞれ値上がりしています。

また、東京都中央卸売市場での卸売価格は、24日の時点でたまねぎとじゃがいもが平年と比べておよそ1.6倍、にんじんがおよそ1.5倍となっています。

農林水産省によりますと、いずれも主な産地で3月から5月にかけての天候不順の影響で出荷が減ったため、価格が上昇したとしています。

農水省「夏の高温が生育に影響するおそれ 天候を注視」

ただ、トマトやキャベツなどの卸売価格は平年よりも安くなっているということで、農林水産省は「今後は、高値の野菜も産地が切り替わり、価格が落ち着くことが見込まれている。一方で、夏の高温が生育に影響するおそれもあり、今後の天候を注視したい」としています。

野菜の値上がり 買い物客から懸念の声

野菜価格の値上がりが続く中、埼玉県のスーパーでは、買い物客から懸念の声などが聞かれました。

埼玉県越谷市のマルサン越谷花田店では、たまねぎとにんじんの仕入れ価格が先々週と比べて、およそ1.5倍になったということで、このため店では、1袋500グラム入りのにんじんの小売価格を100円から150円に値上げしたということです。

じゃがいもの小売価格も1か月前から徐々に上がっていて、とくに、天候不順の影響を受けた九州産のものは2倍ほど値上がりしているということです。

一方、きゅうりやなす、ピーマンなどは気温の上昇で生育が早まり出荷量が増えていることから、小売価格が先々週と比べて3分の2程度になっているということです。

買い物にきていた50代の女性は「たまねぎなど、使うことが多い野菜の値段が高いので困ります。冷凍できるものは小分けにしてストックするなど工夫しています」と話していました。

また、70代の男性は「飲食店をしているので野菜の値段が上がると経営に影響して大変です。いろんな店舗を回って少しでも安いものを買うようにしています」と話していました。

青果部門担当者「野菜の産地を吟味 価格抑える工夫」

青果部門チーフ長の板清英樹さんは「お客さんが値上がりを感じにくいよう野菜の産地を吟味し、サイズが小さく、安いものを仕入れるなどして価格を抑えるための工夫をしています。にんじんやたまねぎ、じゃがいの価格については、8月くらいまでは、今の状況が続きそうです」と話していました。