中国製EVに関税上乗せ方針めぐり EUと中国 実務者協議へ

EU=ヨーロッパ連合は、中国から輸入されるEV=電気自動車について、暫定的に最大で38.1%の関税を上乗せする方針をめぐって、今週、中国側と実務者による協議を行うことを明らかにしました。

EUの執行機関、ヨーロッパ委員会は6月12日、中国から輸入されるEVに対する関税について、すでに課している10%に加え、暫定的に最大で38.1%を上乗せする方針を明らかにしました。

中国政府から補助金を受けたEVがEU市場でのシェアを急速に伸ばしていることで、ヨーロッパの企業が損害を受けるおそれがあり、中国側との協議で状況が改善しなければ、7月4日以降に発動するとしています。

この方針をめぐって、ヨーロッパ委員会の報道官は24日、EUと中国が今週、EU本部のあるベルギーで実務者による協議を行うことを明らかにしました。

これに先だって中国商務省は22日、王文涛商務相がヨーロッパ委員会のドムブロフスキス上級副委員長とオンラインで会談し「双方は協議を始めることで合意した」とだけ発表していました。

中国側には協議を通じて、関税を上乗せするEUの措置を撤回させたい思惑があるとみられます。

一方、EU側は「いかなる協議の結果も、EU企業に損害を及ぼす補助金に効果的に対応するものでなければならないと中国側に強調した」としていて、中国側との協議がEUの判断に影響を及ぼすのかが焦点です。