東京女子医科大 推薦入試過程で寄付額申告 文科省 報告求める

東京女子医科大学で、同窓会組織の審査が必要な推薦入試の過程で、受験生の親族からの大学や同窓会組織への寄付額を申告させていたことがわかりました。国は、入学に関して寄付を募ることは禁じており、文部科学省は、これに反していないかどうか、大学に事実関係を報告するよう求めています。

関係者によりますと、東京女子医科大学では、3親等以内の親族に卒業生や在校生がいる受験生を対象に、同窓会組織「至誠会」が審査を行い推薦する入試が、2018年から実施されていて、毎年、会の審査で選ばれた10人前後が大学の推薦入試を受けているということです。

この推薦入試の過程で、至誠会に提出する「審査依頼書」に受験生の親族による大学や至誠会への寄付の実績を申告する欄があり、審査の面接を踏まえた採点結果の一覧にも、それぞれの寄付額が記されていたということです。

こうした状況は複数年にわたっていたといいます。

文部科学省は公正な入試の実施のため、入学に関して、直接、間接を問わず寄付を募ることを通知で禁じていて、東京女子医科大学のこの入試が通知に反するかどうか確認するため、大学に事実関係の報告を求めているということです。

東京女子医科大学は「特定の個人に対し寄付を求めた事実はなく、文部科学省の通知に違反している認識はない」とコメントしています。

東京女子医科大学をめぐっては、ことし3月に「至誠会」の経理処理に関して特別背任の疑いで警視庁の捜索を受けたことや、卒業生の教員の人事評価に、同窓会組織への寄付や活動状況を反映させていたことについても、文部科学省が、大学の第三者委員会で実態を調査し、報告するよう求めています。