安倍元首相銃撃事件 被告の弁護団が接見のやりとり明らかに

おととし、奈良市で安倍元総理大臣が銃撃された事件で、殺人などの罪で起訴された山上徹也被告の弁護団は、今週接見した際、被告が、旧統一教会をめぐる解散命令請求などの動きについて「現在のような状況になるとは思っていなかった」などと話していたことを明らかにしました。

おととし7月、奈良市で安倍元総理大臣が銃撃されて死亡した事件では、山上徹也被告(43)が殺人などの罪で起訴されています。

この事件は裁判員裁判で審理されるとみられ、来月3日には証拠や争点などを絞り込む4回目の「公判前整理手続き」が予定されています。

山上被告の弁護団は21日、報道陣の取材に応じ、20日に拘置所で被告と接見した際のやりとりを明らかにしました。

それによりますと、弁護士が旧統一教会をめぐる解散命令請求などの一連の動きをどう受け止めているか聞いたところ「事件によって現在のような状況になるとは思っていなかった」と話したということです。

また、被告のもとには親が信者であるいわゆる「宗教2世」から手紙が届くこともあるということですが、被告は「事件が2世の人たちにとってよかったか悪かったか分からない」と話していたということです。

裁判の日程はまだ決まっていませんが、弁護団は争点の絞り込みなどに時間がかかっているとして、初公判は来年以降になるという見方を示しました。