「きつ音」3歳までに経験8.9% “早期の支援体制充実を”

話すときに最初のことばがつまるなどの症状が出る「きつ音」について、国立の研究所などが調べたところ、3歳までに症状を経験したことがある子どもは8.9%にのぼることが分かりました。

「きつ音」は、最初のことばがつまったり出にくかったりする発話障害です。

幼児期にあらわれ、その後症状がなくなるケースが多いものの、大人になると改善しにくいため、話す神経回路が発達する幼児期に専門家の支援を受けることが有効だとされています。

国立障害者リハビリテーションセンター研究所などでつくる研究グループが、2016年から2018年にかけて神奈川県や石川県など5つの県の3歳児およそ2000人を対象に調査したところ、3歳時点できつ音がある子どもは6.5%でした。

また、過去にきつ音があってその後3歳までに症状がなくなった子どもは2.4%で、3歳までに吃音を経験した子どもはあわせて8.9%にのぼりました。

このほか、今回の調査では、きつ音がある子どもは、ない子どもと比べて、家族にきつ音を経験した人がいる割合が2倍以上だったという結果が出ました。

国立障害者リハビリテーションセンター研究所の酒井奈緒美室長は「幼児期はなめらかに話す神経回路が発達する時期で、専門家が早期に支援することで改善が可能だが、相談できる施設が少ない。専門の言語聴覚士の育成や相談体制の充実が求められる」と話しています。