バスケ女子日本代表 オーストラリアと強化試合で2連勝

パリオリンピックで2大会連続のメダル獲得を目指すバスケットボール女子の日本代表が世界ランキング3位のオーストラリアとの強化試合第2戦に臨み、粘り強いディフェンスと得意のスリーポイントシュートを高い確率で決め、95対87で勝って2連勝としました。

北海道で行われた強化試合で日本は20日の第1戦で勝利を収めたものの、リバウンドの数で圧倒されオーストラリアの高さへの対応に課題を残しました。

21日の第2戦、日本は第1クオーターからディフェンスで圧力をかけて平均身長が8センチ近く高い相手のゴール下へのパスを簡単に通させませんでした。

ディフェンスからリズムを作った日本は第1クオーターで27対19とリードすると、その後はキャプテンの林咲希選手や宮澤夕貴選手が高い確率でスリーポイントを決めました。

対するオーストラリアは身長1メートル95センチのセンターに徹底的にボールを集め、日本は第4クオーターに一時、2点差まで詰め寄られました。

しかし、勝負どころで林選手がスリーポイントを決め、馬瓜エブリン選手のドライブなどで突き放し、日本は95対87で勝って強豪のオーストラリアに2連勝としました。

日本は林選手が5本のスリーポイントを決めてチームトップの19得点をマークし、チーム全体でもスリーポイントを17本決めて成功率も43.6%と高い確率でした。

第1戦で19本の差をつけられたリバウンドの数もこの試合は9本と改善しましたが、オーストラリアがアメリカでプレーする主力を欠く中で、相手のセンターに両チーム最多の20得点を許すなど、オリンピック本番を見据えて高さ対策という課題も改めて浮き彫りになりました。

キャプテン 林咲希「誰が出ても自分たちのバスケを」

得意のスリーポイントを8本中5本決めてチーム最多の19得点をマークしたキャプテンの林咲希選手は「チーム全員でしっかりエネルギーを出して戦おうという共通認識を持って戦った。試合を通して誰が出ても自分たちのバスケットボールを全うしようという意識がすごく強かった。オフェンスの部分はあまり止まることなく続けられたと思う」と試合を振り返りました。

一方で2試合を通して相手の高さに苦しめられたディフェンス面については「マークの受け渡しが遅いところがあった。簡単に2点を取られてしまうと難しい試合になるのでそこを改善したい」と課題を口にしました。

五輪に向け確かな手応え ディフェンスでは“高さ”の課題も

開幕までおよそ1か月に迫ったパリオリンピックを前に、強豪、オーストラリアとの強化試合2試合でスリーポイントシュートを37本決めた日本はオリンピック本番に向けて確かな手応えをつかみました。

スピードと豊富な運動量をいかし素早いパス回しからフリーの選手を作って、積極的にスリーポイントを狙う戦術は、今の日本代表が掲げてきた「走り勝つシューター軍団」の目指す姿そのものです。

パスが回り、フリーの選手がシュートを打つことで成功率も上がりました。

2試合合計でチーム最多の10本のスリーポイントを決めたキャプテンの林咲希選手は「いつでもスリーポイントが打てる準備をしている」とチームの戦術に自信を示しました。

一方で、ディフェンス面では改めて“高さ”という課題が浮き彫りになりました。

平均身長で8センチ近く上回る相手にリバウンドを支配され、第1戦ではリバウンドの数で19本の差をつけられました。

その課題を改善しようと臨んだ第2戦では簡単にゴール下にパスを入れさせないために序盤、オールコートでプレッシャーをかけるディフェンスでリズムをつかみました。

しかし、体力の消耗で足が止まるようになるとゴール下から簡単に得点を許す場面が増えました。

第2戦ではリバウンドやペイント内での失点はやや改善したものの、1試合を通して相手の高さへの有効な対策は見いだせないままでした。

試合後の会見で恩塚亨ヘッドコーチは「相手のインサイドのプレーでマークの受け渡しが間に合わないことがあった。分析を深めて成長の糧にしたい」と改善点を分析していました。

2大会連続のメダル獲得を目指して代表メンバーの選考もいよいよ最終盤を迎えます。

世界の強豪チームとの体格の差は埋められないだけに、それをどうカバーして日本の長所を生かすチームづくりができるのかが、問われることになります。