ウクライナへの防空システム供与 ルーマニアが決定 支援急ぐ

ロシア軍はウクライナのエネルギー関連施設などへの攻撃を続け、市民生活への影響が懸念されています。こうしたなか、ウクライナの隣国のルーマニアが防空システム「パトリオット」の供与を決定するなど欧米側は、加速するロシアの空からの攻撃に対し防空システムの支援を急いでいます。

ウクライナ空軍はロシア軍がミサイル4発で攻撃を仕掛け、ウクライナ側が中部キロボフラード州と南部ヘルソン州でこれを迎撃したと21日、発表しました。

ロシア軍は20日にかけてもミサイルや無人機による攻撃を行って、4つの州で火力発電所などエネルギー関連施設が被害を受け、電力不足による市民生活への影響も懸念されています。

こうしたなか、ウクライナに隣接し、NATO=北大西洋条約機構に加盟するルーマニアは20日、ウクライナへの支援として自国が保有する防空システム「パトリオット」1基を供与することを決定したと発表しました。

これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は動画で、「ルーマニアに感謝する。本当に強力な一歩だ。地域全体により大きな安全がもたらされるだろう」と述べました。

アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官も20日、ウクライナの防空能力を緊急に強化する必要があるとして「パトリオット」などのミサイルについて、各国への納入計画を見直し、ウクライナに優先して供与する方針を明らかにし、加速するロシアのミサイル攻撃に対して欧米側は支援を急いでいます。