珠洲で夏服を被災者に無料配布 SNSで呼びかけ全国から寄付

能登半島地震の被災地、石川県珠洲市では、本格的な夏を前に、全国から寄付された夏服が被災した人たちに無料で配られました。

この活動は、地震で倒壊した住宅などから夏物の服を取り出せない人たちを支援しようと、輪島市の洋菓子店の店主、古川まゆみさんが行っています。

古川さんは自宅の一部が壊れる被害を受けましたが、隣の珠洲市に住む親類が倒壊した住宅から夏服を取り出せず、困っていることを知ってこの活動を始めました。

SNSなどで着ることがなくなった夏服の寄付を呼びかけたところ、全国各地から合わせておよそ2トン分が集まったということです。

21日は、その一部を段ボール箱50箱に入れて珠洲市のスーパーの駐車場に運び込み、無料で配りました。

駐車場には親子連れやお年寄りなどおよそ150人が訪れ、目当ての服を手に取って体に合わせたりしながら選んでいました。

自宅が全壊し珠洲市の仮設住宅に住む74歳の男性は「家が倒壊して中に入れなくなりました。もらったズボンをはいて仕事に行きたいと思います」と話していました。

支援活動を行った古川まゆみさんは「地震でつらい思いをしたのは私だけでなく、みんな一緒なので、喜んでもらえてうれしいです。今後は仮設住宅などにも届けに行きたいです」と話していました。