通常国会 きょう事実上閉会へ

国会は立憲民主党が提出した岸田内閣に対する不信任決議案が20日、自民・公明両党などの反対多数で否決されました。政治改革が最大の焦点となった通常国会は、23日の会期末を前に21日、事実上、閉会します。

国会の会期末を前に、立憲民主党は20日、岸田内閣は政治改革に後ろ向きで国のかじ取りを任せられず、直ちに総辞職するか衆議院を解散すべきだとして、内閣不信任決議案を提出しました。

泉代表は「『裏金問題』の経緯や使途は明らかになっておらず、改正政治資金規正法の中身も抜本的な政治改革に踏み込めない検討項目ばかりのやったふりでしかない」と訴えました。

このあと決議案は採決が行われ、自民・公明両党などの反対多数で否決されました。

岸田総理大臣は「政治改革は、多くの協力によって一つ一つ乗り越えてきたが、今後とも政府・与党が結束して先送りできない課題に対し全力で取り組んでいきたい」と述べました。

1月に召集された通常国会は、自民党の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて政治改革が最大の焦点となり、最終盤の19日、改正政治資金規正法が成立して、会期末を前に21日、事実上、閉会します。

岸田総理大臣は21日夜、記者会見する予定で、政治とカネの問題を受けた信頼回復への取り組みや、物価高への対応などについて説明するものとみられます。

一方、20日の衆議院本会議に先立って開かれた自民党の代議士会では、岸田総理大臣が出席していなかったことから、茂木派の津島淳衆議院議員が「われわれは内閣不信任決議案の否決という大事な場面に向かおうとしており、本来、岸田総裁がこの場に来て心からの思いを発するべきではないか」と苦言を呈しました。

この発言をめぐって党内では「中堅や若手議員の不満の表れではないか」といった見方も出ていて、国会が事実上、閉会することで、秋までに行われる総裁選挙を見据えた動きが活発化することも予想されます。

政府が提出した法案98%成立

今の国会では
◇離婚後も父と母双方が子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした改正民法や
◇子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認する制度「日本版DBS」を導入するための法律など
政府が提出した62の法案のうち98%にあたる61が成立しました。

林官房長官「不信の声を真摯に受け止め課題に全力」

林官房長官は、閣議のあとの記者会見で「今の国会では政治改革についてもさまざまな議論が行われた。議論の評価などについてコメントすることは控えるが、政府としては国民の政治に対する不信の声を真摯(しんし)に受け止めながら、引き続き内外の諸課題に全力で取り組み結果を出していきたい」と述べました。

岸田首相 参院議員総会に出席

岸田総理大臣は21日午前、参議院本会議に先立って国会内で開かれた自民党の参議院議員総会に出席し、あいさつしました。党幹部によりますと、岸田総理大臣は政治資金規正法の改正をめぐり「難しい国会だったが皆さんの協力でここまで来られた。いろいろな意見があることは承知しているが、党が生き残るためには決断するしかなかった」と述べたということです。自民党によりますと総理大臣が参議院議員総会に出席するのは異例だということです。