東京大学と日本財団 海底鉱物資源引き上げ 大規模実証試験へ

東京大学と日本財団は小笠原諸島の南鳥島沖で、資源価値が高いコバルトなどを含んだマンガンノジュールと呼ばれる鉱物が密集する海域を特定し、今後、1日当たり数千トン規模で引き上げる実証試験を行う計画であることがわかりました。実用化に至っていない日本周辺の海底の鉱物資源の活用に向けて弾みがつくと注目されます。

関係者によりますと東京大学などの研究チームは、今月にかけて、小笠原諸島の南鳥島沖にある排他的経済水域で、鉱物を引き上げる装置を船から海底に落下させ、水深5500メートル付近を100か所余りにわたって調査しました。

その結果、電気自動車の蓄電池などに利用されるコバルトやニッケルを含むマンガンノジュールと呼ばれる鉱物が、海底を覆い尽くすように密集する有望な海域を特定し、この付近には2億トンを超えるマンガンノジュールが資源として利用しやすい形で分布していると見積もられるということです。

今後は、1日当たり数千トン規模でマンガンノジュールを引き上げる大規模な実証試験を計画していて、東京大学と日本財団は21日会見を開き詳細を公表するとしています。

成功すれば、実用化に至っていない日本周辺の海底の鉱物資源の活用に向けて弾みがつくと注目されます。