FTXトレーディング日本法人 国内同業大手が買収の方向で調整

暗号資産の交換業の世界的な大手でおととし経営破綻した「FTXトレーディング」の日本法人について、国内の同業大手「ビットフライヤー」が買収し、事業を引き継ぐ方向で調整を進めていることが分かりました。

「FTXトレーディング」は、経営の悪化により、おととし11月、およそ130のグループ会社とともにアメリカの裁判所に連邦破産法第11条の適用を申請しました。

業界としては過去最大の経営破綻とされ、日本法人「FTXジャパン」も、一時、顧客が資産を引き出せない状態となって金融当局から一部の業務の停止命令などを受けました。

会社は日本法人の売却先を探していましたが、関係者によりますと、国内の同業大手の「ビットフライヤー」の親会社が買収する方向で調整を進めているということです。

アメリカの裁判所での手続きの進捗(しんちょく)を踏まえ、すべての株式をビットフライヤー側が買い取り事業を引き継ぐ見通しで、買収額は数十億円になるとみられます。

日本暗号資産取引業協会によりますと、国内の暗号資産の口座数はことし4月末の時点で1000万を超え、5年前の3倍以上に増えていますが、安全性や利用者の保護などが課題となっています。

取り引きの参加者増 管理のあり方が課題

ビットコインなどの暗号資産をめぐっては取り引きに参加する人が増える一方で資産の管理のあり方が課題となっています。

アメリカではことしになって証券取引委員会がビットコインで運用するETF=上場投資信託を承認したことをきっかけに機関投資家や個人の資金が流入しています。

ビットコインの現在の時価総額は円に換算して、200兆円規模となっています。

日本暗号資産取引業協会によりますと、国内の暗号資産の口座数はことし4月末の時点で1000万を超え、5年前の3倍以上に増えています。

一方、先月には、暗号資産の交換業を行う「DMMビットコイン」が480億円相当のビットコインが不正に流出したと発表しましたが会社は会見を開いておらず原因や調査の状況などを明らかにしていません。

顧客の資産の安全性を確保することに加えて情報開示を徹底して説明責任を果たすことも業界の課題となっています。