プーチン大統領 ベトナム国家主席と会談 協力深めることで合意

ベトナムを訪れているロシアのプーチン大統領は、トー・ラム国家主席と会談し、貿易やエネルギーなどの分野で協力関係をさらに深めていくことで合意しました。ロシアとしては、アメリカなどと関係を強めるベトナムとの連携を誇示することで、ウクライナ情勢をめぐって対立する欧米側をけん制するねらいがあるとみられます。

北朝鮮に続いて、ベトナムを訪問している、ロシアのプーチン大統領は20日、首都ハノイでトー・ラム国家主席と会談しました。

プーチン大統領は冒頭「ベトナムとの包括的戦略パートナーシップの強化はわれわれの優先事項の1つだ」と述べ、ベトナムとの関係を重視していると強調しました。

このあと行われた共同会見で、プーチン大統領は「ことしの両国間の貿易額が前の年の同じ時期と比べ30%以上増えている」と述べたほか、「ロシアの企業がLNG=液化天然ガスの大規模プロジェクトに参加する用意がある」と述べるなど、貿易やエネルギー分野を中心にさらに協力関係を深めていく姿勢を示しました。

一方、ラム国家主席は「ロシアはベトナムにとって最も重要なパートナーの1つだ」と述べ、経済や安全保障など幅広い分野で協力を進めていく考えを示しました。

共産党が一党支配体制を敷くベトナムは、旧ソビエト時代からロシアと結び付きが強い一方、最近では日本やアメリカなどとも投資や貿易面を中心に関係を強め、経済成長を続けています。

ロシアとしては、そうしたベトナムとの連携を誇示することで、ウクライナ情勢をめぐって対立する欧米側をけん制するねらいがあるとみられます。