能登半島地震の被災地 梅雨入り前に“ふだん以上に注意を”

石川県では今週末から雨や曇りのぐずついた天気が続く見込みで、能登半島地震の被災地では、緩んだ地盤で土砂災害が起きやすくなり、地震で傷んだ建物は雨の重さで倒壊するリスクが増すおそれがあります。被災後初めてとなる梅雨入りを前に、自治体は、危険な場所はふだん以上に注意し、家屋の片付け作業をする際には天候を確認するよう呼びかけています。

能登半島地震の被災地では、斜面や川の堤防が崩れるなどの被害が出て、石川県などが応急の対策を行いました。

このうち能登町の地滑りの現場では、緩んだ地盤の地下水を抜くパイプを埋設したり、土砂の流出を防ぐ大型の土のうを設置したりする対策がとられましたが、県によりますと、応急の対策が施された場所であっても少しの雨で地滑りが起きるおそれがあるとしています。

また、地震の揺れで川の堤防が崩れた現場には今も土のうが積まれていますが、以前と比較して強度は十分でなく、増水した際にはふだん以上に注意が必要だとしています。

県奥能登土木総合事務所の寺田龍彦所長は「地震で地盤が緩んでいるため、少ない雨でも危険性がある。安心することなく、すぐ避難できるよう心がけてほしい」と話していました。

また、今回の地震では多くの木造家屋が被害を受けましたが、傷んだ建物は雨を含んだ重さで倒壊するリスクが増すおそれがあります。

家屋の片付け作業をする際には特に注意が必要で、珠洲市危機管理室の女田良明室長は「家屋から家財を運び出す際などは気象情報をよく確認してほしい」と話していました。