全労連 最低賃金の労使の議論を前に会見 大幅引き上げを訴え

今年度の最低賃金について来週から労使の議論が始まるのを前に、労働団体の全労連が、物価高によって多くの人の生活が脅かされているとして大幅な引き上げを訴えました。

最低賃金は企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金で、去年初めて、全国平均で時給1000円を超えて1004円となり、政府は2030年代半ばまでに1500円に引き上げることを目標に掲げています。

今年度の最低賃金を労使が議論する厚生労働省の審議会が来週25日から始まるのを前に、20日、労働団体の全労連が記者会見を開きました。

この中で、全国27の都道府県の組合員にアンケート調査を行ったところ、最低限必要な生活費を得るためには現在でも最低1500円以上は必要だとする結果が出たとして、速やかに大幅な引き上げを行うよう求めました。

都内のスーパーで最低賃金で働く60代の女性は「年々物価が上がり、生活費が増えて、家計はマイナスになっている。非正規で働く子どもから生活費をもう少し入れてほしいと言わなければならない状況だ」と訴えました。

全労連の黒澤幸一事務局長は「働いても食べていけないような最低賃金であってはならない。政府が掲げる2030年代半ばまで待つことはできない」と話していました。