ハンセン病元患者の追悼式 約130人が参列 厚生労働省

国の政策で強制的に隔離され、差別に苦しんで亡くなったハンセン病の元患者を追悼する式典が、厚生労働省で行われました。

厚生労働省は、ハンセン病の元患者への補償を定めた法律が施行された6月22日を「名誉回復と追悼の日」と定めています。

20日の式典には、ハンセン病の元患者やその家族などおよそ130人が参列し追悼の碑に花を手向けて祈りをささげました。

武見厚生労働大臣は「強制隔離政策で多くの元患者の方々が差別を受け、平穏に暮らせなかったことを真剣に受け止め、心からおわび申し上げる」と述べました。

国はハンセン病の患者を法律に基づき、平成8年までおよそ90年間にわたって強制的に療養所に隔離し、多くの患者や家族が差別や偏見に苦しみました。

厚生労働省によりますと、ふるさとに身寄りが無いなどの理由で先月1日時点で718人が療養所で暮らし、平均年齢はおよそ88歳を超えています。

こうした中、ことし4月に公表されたハンセン病についての意識調査では、2割近くの人が「ハンセン病の元患者や家族の身体に触れることに抵抗を感じる」と答えるなど、依然として差別や偏見が残っていることがうかがえる結果が出ています。

元患者の竪山勲さん(75)は「私は療養所で葬儀を担当しおよそ1000人を見送ったが、誰一人安らかな顔をしておらず悔しかった。それがハンセン病問題だということを、国は責任を持って受け止めてほしい」と話していました。