ラグビー日本代表 イングランド戦メンバー発表 リーチが主将に

22日、ラグビー日本代表のことし最初のテストマッチとなるイングランド戦に臨む登録メンバー23人が発表され、35歳のベテラン、リーチ マイケル選手がキャプテンを務めることになりました。また、フルバックには早稲田大の2年生、矢崎由高選手が入るなど、3年後のワールドカップに向けて若手も登用されました。

最新の世界ランキングで12位の日本は22日、東京 国立競技場で世界5位のイングランド代表とことし最初のテストマッチに臨みます。

20日は試合の登録メンバー23人が発表され、都内でイングランド戦に向けた練習の冒頭20分が報道陣に公開されました。

キャプテンには35歳のベテランでフランカーのリーチ マイケル選手が選ばれ、齋藤直人選手やワーナー・ディアンズ選手など、去年のワールドカップに出場した主力選手が顔をそろえました。

一方、フルバックにはただ1人の大学生で早稲田大2年の20歳、矢崎選手が抜てきされ、フッカーの原田衛選手などテストマッチに出場経験がない選手が8人入り、3年後のワールドカップに向けて若手も登用されました。

日本代表は南アフリカ代表に勝った2015年のワールドカップ以来、エディー・ジョーンズ氏が9年ぶりにヘッドコーチに復帰し、今回のイングランド戦が3年後のワールドカップに向けた強化の初戦となります。

日本はイングランドとのテストマッチで過去11戦全敗とまだ勝利がありませんが、ジョーンズヘッドコーチにとってイングランドは2022年まで7年にわたって指揮を執ったチームで、そのスタイルを熟知しています。

日本は、ジョーンズヘッドコーチが掲げる「超速ラグビー」でスピードに乗った展開に持ち込めるかが、勝利のカギを握りそうです。

日本代表 登録メンバー23人 30代は4人 平均年齢 約26歳

イングランド戦に臨む日本代表の登録メンバー23人です。30代の選手はリーチ マイケル選手を含む4人で、平均年齢はおよそ26歳となりました。

《先発メンバー》

フォワード
【プロップ】
1:茂原隆由選手(24)※初キャップ
【フッカー】
2:原田衛選手(25)※初キャップ
【プロップ】
3:竹内柊平選手(26)
【ロック】
4:サナイラ・ワクァ選手(28)
5:ワーナー・ディアンズ選手(22)
【フランカー】
6:リーチ マイケル選手(35)※キャプテン
7:ティエナン・コストリー選手(24)※初キャップ
【ナンバーエイト】
8:ファウルア・マキシ選手(27)

バックス
【スクラムハーフ】
9:齋藤直人選手(26)
【スタンドオフ】
10:李承信選手(23)
【ウイング】
11:根塚洸雅選手(25)
【センター】
12:長田智希選手(24)
13:ディラン・ライリー選手(27)
【ウイング】
14:ジョネ・ナイカブラ選手(30)
【フルバック】
15:矢崎由高選手(20)※初キャップ

《控えメンバー》
16:坂手淳史選手(30)※6月21日に31歳
17:三浦昌悟選手(29)
18:為房慶次朗選手(22)※初キャップ
19:サウマキ アマナキ選手(27)
20:山本凱選手(24)※初キャップ
21:藤原忍選手(25)※初キャップ
22:松田力也選手(30)
23:サミソニ・トゥア選手(29)※初キャップ

大学生の矢崎選手を抜てきの理由は

今回の登録メンバーで最大のサプライズは大学生でただ1人、20歳の矢崎由高選手をフルバックの先発に抜てきしたことです。

ジョーンズヘッドコーチはその理由について「合宿でトレーニングごとに成長を見せてくれたので、難しい判断ではなかった。精神面でもプレッシャーに耐えられる選手だと思った」と期待を込めました。

矢崎選手は、宮崎合宿では日本代表のトレーニングメンバー、つまり「練習生」としての参加でしたが、代表メンバーと同じメニューをこなし、試合形式の練習でもリーチ選手などとともに主力組に入ってプレーしていました。

ジョーンズヘッドコーチはことし1月の就任以降、将来有望な大学生の選手を集めた肝いりの育成プログラムをスタートさせていて、さっそくそのメンバーの1人を起用した形です。

ジョーンズヘッドコーチは2012年にも当時、高校3年生だった山沢拓也選手を代表候補に招集するなど若手の人材発掘を積極的に進めてきました。

3年後のワールドカップに向けた戦いの初戦となる今回のテストマッチで「若手の成長を加速させたい」と話していた言葉どおりの選考を行い、多くの若手に「日本代表への扉は常に開いている」と強いメッセージを送る選手起用となりました。

主将のリーチ選手「ラグビーの革命を起こしたい」

キャプテンのリーチ マイケル選手は「試合がすごく楽しみだし、日本の新しい『超速ラグビー』を見せるチャンス。80分の試合時間のうち、どこで試合をコントロールするかが大事になる」と意気込みを話しました。

ジョーンズヘッドコーチからキャプテンを打診された時期について聞かれると「先週の頭くらいに言われた。もちろん責任は感じているし、ワクワクもしている。新しいラグビーの革命をエディーさんと一緒に起こしたい」と話しました。

ジョーンズHC「イングランド戦が楽しみ」

ジョーンズヘッドコーチは「私たちは非常に若いチームなので、経験豊富なキャプテンが必要だと思った。宮崎で合宿が始まった日にはリーチに決めていたし、これからできるかぎりキャプテンを続けてほしいと思っている」と全幅の信頼を寄せていました。

そして、イングランド戦に向けては「セットピースやキックチェイスなど伝統的な戦い方をしてくる世界のトップフォーに入るチーム。われわれの現状を確認するのにこれ以上の相手はいない。いい準備ができているので試合が楽しみだ」と笑顔で話し、チームの仕上がりに自信をのぞかせていました。