叡王戦 藤井八冠が伊藤匠七段に敗れる タイトル独占崩れ七冠に

将棋の八大タイトルの1つ、「叡王戦」の最終局が甲府市で行われ、藤井聡太八冠(21)が挑戦者の伊藤匠七段(21)に敗れました。藤井八冠は「叡王」のタイトルを失い、去年10月以来続いていた八大タイトル独占が崩れ「七冠」となりました。

《対局のまとめ》

●「叡王戦」五番勝負は、藤井八冠、伊藤七段ともに2勝し決着は最終局の第5局に持ち込まれました。
●第5局の会場は甲府市のホテルで、振り駒の結果、藤井八冠が先手となりました。
●対局は、開始1時間で60手近くを指すハイペースで進み、互いに交換した大駒の「角」を打ち込むなど、攻め合いが続きました。
●午後に入ると、藤井八冠が攻撃を重ね伊藤七段が押されますが、相手の攻めをしのいで反撃。豊富な持ち駒を駆使して相手玉を徐々に追い詰めます。
●藤井八冠は持ち時間を使い切って、1手を60秒未満で指す「1分将棋」に追い込まれながらも、粘りを見せますが、午後6時32分、156手までで投了。伊藤七段が3勝2敗で「叡王戦」を制し、3度目の挑戦で初めてタイトルを獲得しました。
●一方、藤井八冠は去年10月に史上初めて八大タイトルを独占しましたが、今回初めて防衛に失敗し「七冠」となりました。
●藤井七冠の次のタイトル戦の対局は「棋聖戦」第3局で、来月1日に名古屋市で行われます。

初タイトルの伊藤叡王「子どもの頃から夢に見てきた」

初めてのタイトル獲得を果たした伊藤匠叡王は、感想戦のあと、記者会見に臨みました。

この中で、伊藤叡王は「まだ終わったばかりであまり実感が湧いてきませんが、タイトル獲得は子どもの頃から夢に見てきたことなので、嬉しく思います」と喜びを語りました。

また、タイトル戦を戦った同い年の藤井七冠については「藤井さんにはずっと勝てない状況が続いていて、接戦にすら出来ていない将棋が多く、自分自身の棋力をあげていくしかないと感じていました。藤井さんが中学生でプロになられてからは、ずっと目標にやっていたので、自分をここまで引き上げて頂いたのかなと思っています。まだまだ自分のほうが実力が不足していると感じているので、今後も引き続き藤井さんとタイトル戦で戦えるように頑張りたい」と語りました。

そして、今後の目標について問われると「現時点では具体的な目標はありませんが、今回の叡王戦では終盤までどちらが勝つか分からないような将棋を指すことが出来たと思うので、そういった熱戦をお見せできるように頑張りたい」と話していました。

藤井聡太七冠「気づいていない手があり 苦しい感じに」

タイトルを失った藤井聡太七冠は「途中までこちらがかなり攻めていく展開だったが、気づいていない手があり、そのあたりから苦しい感じになってしまった。終盤でミスが出てしまう将棋が多かったので結果もやむを得ないかなと思う」と振り返りました。

また、八大タイトルの独占が崩れたことについては「時間の問題だと思っていたので、気にせずにこれからもまた頑張っていきたい」と話していました。

2人の対局者がファンを前に対局振り返る

対局終了後、2人の対局者が「大盤解説会」の会場に集まった将棋ファンの前に姿を現し、それぞれ20日の対局を振り返りました。

五番勝負を制して初めてのタイトルを獲得した伊藤匠叡王は「シリーズを振り返るとどの勝利も終盤戦が難解な将棋が多かったのかなと思います。叡王戦は持ち時間が4時間と短い中で、自分としてはうまく指せた部分もあったと思っています」と話していました。

一方、「叡王」のタイトルを失い、八大タイトル独占が崩れた藤井聡太七冠は「シリーズを通して終盤戦でのミスが結果につながったと思っています。同時に、伊藤さんの強さを感じるところも多くあり、それを糧にして今後も頑張りたい」と話していました。

羽生善治会長 伊藤七段の初タイトル獲得を祝福

伊藤匠七段が「叡王」を奪取したことについて日本将棋連盟の羽生善治会長は「伊藤匠七段、叡王獲得、誠におめでとうございます。タイトル戦3回目の挑戦での戴冠は、喜びも大きいと思います。今回の五番勝負は、最先端の将棋の魅力が余す事無く表現されたシリーズだと感じました。今後も藤井竜王・名人と、しのぎを削る勝負を末永く繰り広げられる事を期待しています」と初タイトル獲得を祝福するコメントを発表しました。

対局を見守った森下九段「ことごとく読み切った」

対局を見守っていた日本将棋連盟の常務理事を務める森下卓九段は「正直、途中までは藤井さんが勝つと思っていた。伊藤さん自身も苦しいという認識があったはずだが、そこで崩れずに踏みこたえて失着を誘ったのが伊藤さんの勝因だと思う」と分析しました。

その上で「失着といっても本当にきわどいミスだったが、挑戦者の伊藤さんはわずかなその隙を的確に攻めており、藤井さんも最後まで難しい手で誘い込んだが、それをことごとく読み切った伊藤さんの強さが光った対局だった」と話していました。

そして「藤井さんは負けはしたものの、依然としてずばぬけて強く、叡王をもう一度取り返そうと思うだろうし、伊藤さんもさんざん苦汁をなめさせられてきたので、これからほかのタイトルを取りにいくという気持ちになっていると思う。今後も激闘をみせてほしい」と2人にエールを送りました。

藤井七冠の師匠 杉本八段「新たな成長の1ページ」

藤井聡太八冠が叡王のタイトルを奪われ、八大タイトル独占が崩れたことについて、師匠の杉本昌隆八段は「今回の負けは、長い目で見て必ず新たな成長の1ページになる」と話しました。

杉本八段は叡王戦の対局を振り返り、「藤井が負けてしまったことは残念ではありますが、勝った伊藤さんがすばらしかったです」と話し、タイトルを奪った伊藤さんをたたえました。

敗れた藤井さんについては「最後にミスが出てしまい、『勝ちを逃した』という思いがあったと思います。これまでにも悔しい負け方をしたことは何度もありましたが、その負けを取り返すかのように成長していったのも事実です。今回の負けは、長い目で見て新たな成長の1ページになると思っています」と話しました。

また、今回藤井さんを破った伊藤さんについては「『おめでとう』というより『ありがとう』という気持ちがあります。藤井には長らく同世代のライバルがいませんでした。今回、同い年で藤井からタイトルを奪ったことで、この2人の戦いがこれから新たに始まります。その意味で、伊藤さんにお礼を言いたいです」と話しました。

そして、八大タイトル独占が崩れたことについては「タイトルは本来、取ったり取られたりするもので、1人が独占して持ち続けるというのは大変な重圧があったと思います。八冠を一度達成したという記録は変わりませんし、これからはもう一度八冠を目指すことになります。その可能性は十分にあると思いますし、来年以降に向けた新たな楽しみがまた増えたと感じています」とこの先の活躍への期待を述べました。

藤井七冠の地元の愛知 瀬戸市では

将棋の藤井聡太八冠の勝負の行方を見守っていた地元・愛知県瀬戸市の商店街では、ファンから落胆の声が上がりました。

叡王戦最終局を迎えた20日、藤井八冠の地元、愛知県瀬戸市の「せと銀座通り商店街」には、店のシャッターを将棋盤にみたてて対局をリアルタイムで再現する“シャッター大盤”が用意され、集まったファンが次の一手を予想しながら勝負の行方を見守っていました。

そして、ファンが緊張した表情で見守る中、午後6時半すぎに藤井八冠の投了が伝えられると大きな落胆の声が上がり、そのあと粘り強く対局を続けた姿にねぎらいの拍手が送られました。

デビュー当時から応援し続けているという男性は「もしかしたら逆転してくれるかなという期待感をもたせてくれて、よくがんばったと思います。藤井さんのこの粘り強さを私も見習いたいです」と話していました。普段から祖父と将棋を指すという小学4年生の男の子は「ハラハラドキドキが止まりませんでした。もう一度、八冠をとってほしい。僕も将棋を頑張りたいです」と話していました。

シャッター大盤を企画した商店街の飯島加奈さんは「藤井さんが、こたえを出したならそれを受け入れるしかないです。また八冠を取るまでの道のりを応援できるのはうれしい。改めて活躍を見守っていきたいです」と話していました。

藤井聡太 これまでの軌跡

藤井聡太さんは、2016年、中学2年のときに史上最年少となる14歳2か月でプロ入りしました。デビュー後から前人未到の29連勝を達成するなど快進撃を続け、2020年7月には、17歳11か月で「棋聖戦」を制して初タイトルを獲得し、30年ぶりに最年少記録を更新しました。

その後も、2020年8月には18歳1か月で「王位」を獲得し「二冠」。2021年9月には19歳1か月で「叡王」を獲得し「三冠」。2021年11月には19歳3か月で「竜王」を獲得し「四冠」。2022年2月には19歳6か月で「王将」を獲得して「五冠」。去年3月には20歳8か月で「棋王」を獲得して「六冠」。去年6月には20歳10か月で「名人」を獲得して「七冠」といずれも最年少記録を更新し、「六冠」と「七冠」を獲得したのは羽生善治九段(53)以来、2人目でした。そして去年10月には21歳2か月で「王座」を獲得して史上初の「八冠」となり、プロ入りからわずか7年ですべてのタイトルを独占しました。

今回、叡王戦で敗れるまで藤井さんはすべてのタイトル戦を制していて、タイトル獲得数「22期」は連続では歴代1位、通算では歴代6位の記録です。

藤井「七冠」今後もタイトル防衛戦は続く

防衛戦はことしすでに「王将」「棋王」「名人」の3つのタイトル戦を制し、現在「棋聖戦」に臨んでいるほか、7月には「王位戦」が開幕します。さらにその後も、「王座」、「竜王」の防衛戦が予定されています。

また、これらのタイトル戦以外に「一般棋戦」と呼ばれる公式戦などにも参加することになっています。

谷川浩司十七世名人は、タイトル戦に出続けている疲労の蓄積はあると思うと述べ、「将棋の世界に限らず、飛び抜けた成績を残すとその成績を基準に考えられてしまうことが第一人者の宿命です。相手はトップ棋士で、その棋戦で2番目に強いから挑戦者として出てくるわけです。強い棋士を相手に勝ち続けることは藤井さんでも難しいと思います」と話していました。

その上で、これからの将棋界について「全冠制覇をされると全く隙がなくて勝てないのではないかと思ってしまうところもありますが、決してそうではありません。誰かがその一角を崩すことでほかの棋士も前向きになって力を出せるようになることはあると思います」と今回初めてタイトルを獲得した伊藤匠叡王をはじめ、若手の活躍に期待していました。

《叡王戦最終局 対局詳細》

9:00前

それぞれ対局室入り

「叡王戦」五番勝負の最終局は、甲府市が会場です。午前8時45分ごろ、挑戦者の伊藤匠七段が先に対局室に入りました。続いて午前8時50分ごろに藤井聡太八冠も対局室に入り、互いに一礼してから駒を並べ始めました。

9:00

対局開始 藤井八冠が先手 お茶をひとくち含む

振り駒の結果、先手は藤井八冠となりました。立会人が対局の開始を告げると、先手の藤井八冠はお茶をひとくち含んでから飛車先の歩を突きました。後手の伊藤七段も同様に歩を動かして応じ、対局が始まりました。その後は互いに大駒の角を交換し、テンポよく駒組みを進めています。

藤井八冠

叡王戦最終局 みどころは 谷川浩司十七世名人に聞く

谷川十七世名人は「2人のタイトル戦は3度目で『竜王戦』『棋王戦』は藤井八冠がストレートで勝ちましたが、伊藤七段もタイトル戦に慣れてきて実力を出せるようになってきました。タイトル戦を重ねるごとに力をつけてきたということだと思います」とこれまでの2人の戦いを振り返りました。

谷川十七世名人は「『角換わり』など最新型の研究の深さに関しては今の将棋界では藤井さん、伊藤さん、永瀬拓矢九段の3人だと思います」とした上で藤井八冠をはじめ、多くのトップ棋士は有利とされる先手での勝率が高いのに対し、伊藤七段は後手の方がやや勝率が上回っているのが特徴だとして「序盤の研究が行き届いていることと、終盤が強いということの2つを証明している」と指摘しました。

中でもことし2月の「棋王戦」第1局で後手の伊藤七段が互いの玉に詰む見込みがなくなる『持将棋』に持ち込んだことについて「相当研究をしていないとタイトル戦の第1局で用いることはできないと思います。深い突き詰めた手順においては藤井八冠を上回っている部分があるかもしれない」と話していました。

そして、最終局の第5局は振り駒で先手と後手を決めますが「2人とも先手になったとき、後手になったときはそれぞれこうしようと決めていると思うので、どちらが先手になっても序盤はある程度のところまですごい勢いで進むのではないかと思っています。経験の差や最終局というこれまでとまた違った雰囲気から藤井さんが有利と考えますが、終盤まで競り合いが続いてどちらが勝つか分からない勝負になって欲しいです。2人の勝負、タイトル戦はこれから10年、20年にわたって続くと思うので、その中で今回の対局がどのような位置づけになるのか楽しみです」と期待を寄せていました。

10:00ごろ

「おやつ」が2人に

対局者に“おやつ”が提供されました。藤井聡太八冠が、ミルクレープとアイスレモンティーを、伊藤匠七段がショートケーキとアイスティーを、それぞれ注文したということです。

伊藤七段

12:00ごろ

昼食休憩に入る 挑戦者は持ち時間がほぼ半分に

「叡王戦」五番勝負の最終局は、正午に昼食休憩に入りました。ここまで68手と早いペースで進み、持ち時間4時間のうち、藤井聡太八冠が59分、挑戦者の伊藤匠七段が1時間59分を使っています。

昼食は、藤井八冠が天ぷらそば、いなりずし、それにウーロン茶を、伊藤七段がカレーライスとサラダ、スープそれにアイスティーをそれぞれ注文したということです。対局は午後1時に再開されます。

藤井八冠

伊藤七段

14:00ごろ

大盤解説会始まる

対局が行われている甲府市のホテルでは、プロ棋士が対局の進行などを説明する「大盤解説会」が開かれ、多くの将棋ファンが勝負の行方を見守っています。

対局会場のホテルのホールでは午後2時から「大盤解説会」が始まり、松尾歩八段などのプロ棋士たちが2人の指した手を振り返りながら狙いや展開などを解説しています。

会場にはおよそ300人の将棋ファンらが全国から集まり、解説に静かに聞き入りながら対局を見守っていました。

14:30ごろ

藤井八冠の地元では「くす玉」準備も

藤井八冠の地元、愛知県瀬戸市の駅前の商業施設では、地元のファンたちが画面に写された対局に見入っていました。また施設内には、藤井八冠が勝利した時に割られるくす玉が設置されています。

くす玉を設置した、パルティせと店舗会の牧治会長(68)は「藤井八冠が防衛したら、バンザイとともにくすだまを割る予定です。我々も負け慣れていないので緊張しています」と話していました。

叡王戦 これまでの流れは

「叡王戦」五番勝負はここまで、藤井八冠と伊藤七段がともに2勝し、決着は最終局の第5局に持ち込まれました。

藤井八冠は去年、史上初めて八大タイトルを独占。これまでのタイトル戦をいずれも制し、ことしに入っても「王将」「棋王」「名人」を相次いで防衛しています。

4連覇がかかる今回の「叡王戦」では先に2勝され、「角番」に追い込まれましたが、あとがない状況で臨んだ第4局に勝利し、決着を最終局に持ち込みました。

一方、伊藤七段は、去年の「竜王戦」、ことしの「棋王戦」で藤井八冠に挑戦しましたがいずれも敗れていて、3度目の挑戦で初めてのタイトル獲得を目指します。

15:00ごろ

午後の「おやつ」は

午後3時になり、対局者に再び“おやつ”が提供されました。藤井聡太八冠が、クリームが詰まったスポンジ生地のお菓子とオレンジジュースを、伊藤匠七段がバウムクーヘンとアイスティーをそれぞれ注文したということです。

藤井八冠

伊藤七段

16:00ごろ

藤井八冠の地元の喫茶店 応援の特別パフェ

藤井八冠の地元、愛知県瀬戸市の喫茶店では藤井八冠を応援しようと特別メニュー「スマイル末永~パフェ」がこの日限定で提供されました。このパフェには、「末永く八冠でいてほしい」という思いを込めて、数字の「8」の形に巻き付けられた50センチメートルのグミなどが飾り付けられていて、値段は八冠にちなんで、888円だということです。

また、駆けつけたファンたちが喫茶店のモニター画面に映し出された対局を見つめながら、自分だったらどのような手を指すかを話し合ったり、藤井八冠が有利な手を指したときには歓声を上げたりして、応援していました。

16:00時点

森下九段“藤井八冠が優勢 ただ最後までわからない”

森下九段は「序盤は伊藤七段が正面からのぶつかり合いを避けてやや逃げた形となっていましたが、ここ数手で少し差が開き藤井八冠が優勢な状況だと思います。もちろん伊藤七段が挽回する可能性もありますが、藤井八冠はまだ残り時間が1時間以上あるので有利なことに変わりはありません。ただ将棋は最後の最後まで何が起きるかわかりませんのでまだまだこれからです」と話していました。

17:00ごろ

藤井八冠の地元「シャッター大盤」で応援

藤井八冠の地元、愛知県瀬戸市の商店街では、店舗のシャッターを将棋盤に見たてて、20日の叡王戦最終局をリアルタイムで再現する“シャッター大盤”が用意され、ファンが次の一手を予想しながら勝負の行方を見守っていました。

シャッター大盤を企画した商店街の飯島加奈さんは「藤井八冠はいい表情をしていますし、ここに立ち寄る市民の方もきょうは楽しそうに見ている方が多い印象です。最後まで見守りたいです」と話していました。

17:00ごろ

伊藤七段が通っていた将棋教室“勝ちへの脈が出てきた”

伊藤匠七段が通っていた東京・世田谷区の将棋教室では伊藤七段の師匠の宮田利男八段と10人ほどの生徒たちが将棋の練習対局をしながら叡王戦の対局を見守っています。午後5時ごろ、藤井聡太八冠が40分ほど長考したのを受け、宮田八段は「2人の指し方は似ているが伊藤七段は粘り強く将棋を指している。ここにきて伊藤七段の勝ちへの脈が出てきたのではないかと思う」と話していました。

17:30すぎ

藤井八冠が「1分将棋」に

午後5時半過ぎ、藤井八冠が持ち時間の4時間を使い切り、1手を60秒未満で指す「1分将棋」に入りました。一方の伊藤七段も残りの持ち時間が30分を切っています。

藤井八冠の地元、愛知県瀬戸市の商店街では叡王戦最終局をリアルタイムで再現する“シャッター大盤”が用意され、地元のファンたちが次の一手を予想しながら勝負の行方を見守っています。藤井八冠が「1分将棋」に入ると、地元のファンたちが緊張した表情を浮かべながら「藤井八冠の頑張りどきだ」とか「いい手だ」などと声援を送っていました。

18:10すぎ

伊藤七段も「1分将棋」に

伊藤七段も持ち時間の4時間を使い切り、1手を60秒未満で指す「1分将棋」に入りました。藤井聡太八冠はすでに午後5時半すぎに「1分将棋」に入っています。

18:32

藤井八冠投了 伊藤七段が初タイトル 新「叡王」に

藤井八冠は粘りを見せましたが、午後6時32分、156手までで投了。伊藤七段が3勝2敗で「叡王戦」を制し、3度目の挑戦で初めてタイトルを獲得しました。