九州南部 21日午前にかけ線状降水帯おそれ 土砂災害に厳重警戒

前線の影響で九州南部では断続的に非常に激しい雨が降っていて、21日の午前中にかけて線状降水帯が発生して災害の危険度が急激に高まるおそれがあります。土砂災害や川の氾濫に厳重に警戒し、20日夜は安全な場所で過ごすようにしてください。

気象庁によりますと、九州付近にのびる梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、九州では大気の状態が非常に不安定になっています。

午後10時までの1時間にはいずれも鹿児島県が設置した雨量計で
▽いちき串木野市で49ミリ
▽薩摩川内市で47ミリの激しい雨を観測しました。

また、鹿児島県指宿市では午後10時までの24時間に降った雨の量が287ミリに達し、6月としては統計を取り始めてから最も多くなりました。

これまでに降った雨で鹿児島県では土砂災害の危険性が非常に高まり「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

また、鹿児島県を流れる万之瀬川水系の万之瀬川と加世田川では氾濫の危険性が非常に高まり、「氾濫危険情報」が発表されています。

このあと、東シナ海にある低気圧が21日朝にかけて梅雨前線上を東へ進み九州を通過する見込みです。

低気圧や前線に暖かく湿った空気が流れ込む影響で九州では21日にかけて局地的に雷を伴い1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあります。

特に奄美地方を除く鹿児島県と宮崎県では、21日の午前中にかけて線状降水帯が発生して雨量が増え、災害の危険度が急激に高まる可能性があります。

21日夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▽九州南部で250ミリ
▽九州北部で200ミリと予想されています。

気象庁は、土砂災害や川の氾濫に厳重に警戒し、低い土地の浸水に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風に十分注意するよう呼びかけています。

大雨が予想される地域では建物の2階以上や山の斜面から離れた部屋など、少しでも安全な場所で過ごすようにしてください。

鹿児島地方気象台「大雨への心構え いちだんと高めて」

鹿児島地方気象台は午前11時半から記者会見を開き、土屋春彦気象防災情報調整官が「線状降水帯が発生すると現在予想している雨量以上の大雨となる可能性がある。大雨に関する心構えをいちだんと高めてほしい」と呼びかけました。

そして「今後、雨が降り続き、線状降水帯が発生した場合には土砂災害警戒情報を出す可能性もある。きょう夕方からあす昼すぎにかけて土砂災害に警戒してほしい」と述べました。