フィリピン軍 中国の臨検で“ボートに穴 銃器押収”明らかに

フィリピン当局が南シナ海での軍の拠点への補給活動を中国海警局の船などによって妨害されたとしている問題で、フィリピン軍は19日、中国側の臨検を受けてゴムボート4隻に穴をあけられたほか、銃器を押収されたことを明らかにしました。

フィリピン政府は17日、南シナ海で実効支配するセカンド・トーマス礁の海域で軍の拠点への補給活動を行った際に、中国海警局の船などによる妨害を受けて軍人1人が大けがをしたと発表し、中国側もフィリピン船による違法な運搬を取り締まったなどと主張し、非難の応酬となっています。

こうした中、フィリピン軍は19日の会見で、中国海警局の臨検を受け4隻のゴムボートに穴をあけられたことや、船に積んでいた銃器や乗組員の携帯電話を押収されたことを明らかにし、中国側に返還や弁済を求めました。

一方、中国の国営メディアは、中国海警局が撮影した臨検の際の様子だとする画像を伝えました。

画像にはフィリピン側のゴムボートを中国側の3隻の船が囲い込み、中国の当局者がゴムボートに乗り込んでいる様子が写っています。

中国海警局は今月、領海侵犯に対する法執行の手続きを明確化した法令を施行したばかりで、臨検の現場を公開することでみずからの法執行能力を誇示した形です。