札幌 夕食宅配業者 80代女性の安否確認怠る 女性死亡 市が謝罪

札幌市からの委託で高齢者に夕食を宅配している業者が、利用者の80代の女性の応答がなかったにもかかわらず2日にわたって食事をドアノブにかけて立ち去り、安否確認を怠っていたことが分かりました。自宅で倒れている女性を家族が見つけましたが死亡が確認され、市は家族に謝罪しました。

札幌市によりますと、市が高齢者に夕食を宅配する事業を委託している東京の企業「シニアライフクリエイト」のフランチャイズ加盟店の配達員が今月7日午後2時ごろ、中央区にある80代の利用者の女性の自宅を訪れた際、応答がなかったにもかかわらず、安否確認や関係機関への連絡をせず、食事が入った袋をドアノブにかけて立ち去ったということです。

翌日、8日の午後1時半ごろ、別の配達員が訪問した際、ドアノブには前日の食事がかかったままでしたが、このときも安否確認をせず、当日分の食事と交換して立ち去ったということです。

この日に家族が訪れて家の中で倒れている女性を見つけ、女性は病院に運ばれましたが死亡が確認されました。

この宅配事業は、毎日、食事を届ける際に安否確認を行い異常があった際は関係機関に連絡する契約だということで、札幌市は女性の家族に謝罪しました。

市によりますと、このサービスの利用者はことし3月時点で2305人で、市は、「シニアライフクリエイト」とほかの10の委託先すべてに安否確認を徹底するよう指示しました。

札幌市は「ご家族の皆様に深くおわび申し上げるとともに今後同様の事案が発生することのないよう再発防止に努めてまいります」としています。