いじめ重大事態 調査すべき具体例 ガイドライン改定案 文科省

いじめによる自殺や不登校などの「重大事態」が過去最多となる中、文部科学省は対応や調査に課題があるとして、第三者委員会が調査すべき具体例などを盛り込んだガイドラインの改定案を示しました。

文部科学省によりますと、2022年度に全国で把握されたいじめは68万件余りで、このうち自殺や不登校などの「重大事態」は923件と過去最多となっていて、その4割近くは「重大事態」になるまで学校がいじめを認知していませんでした。

文部科学省は、いじめへの対応の遅れや説明不足による保護者とのトラブルなどが課題になっているとして、19日、有識者会議で「重大事態」の調査に関するガイドラインの改定案を示しました。

この中では、第三者委員会が調査すべき具体例を示し、
▽児童や生徒の自殺または自殺が疑われる場合、
▽子どもの間で主張が食い違うなど、事実関係を明らかにすることが難しい場合、
▽学校の対応に問題があり保護者との間で不信感が生まれている場合は、専門的な確認や公平・中立の観点から必要性が高いとしています。

また、いじめによるかどうか疑いの段階でも「重大事態」として扱い、速やかに調査するため、すべての教職員があらかじめ対応を認識しておくなど、平常時からの取り組みも盛り込まれています。

文部科学省は、パブリックコメントを行って広く意見を募り、秋にもまとめることにしています。