日銀4月の決定会合 議事要旨公表 円安リスクや追加利上げ議論

日銀は、歴史的な円安水準が続く中で開かれたことし4月の金融政策決定会合の議事要旨を公表し、円安が物価を押し上げるリスクを指摘する意見が政策委員の間で相次ぎ、追加の利上げをめぐる議論も活発に行われていたことが分かりました。

日銀は4月の会合で金融政策の維持を決めましたが、会合後の植田総裁の記者会見での発言をきっかけに、外国為替市場で円安が加速しました。

19日公表された議事要旨によりますと、会合では、円安の影響について、政策委員の間から「物価や賃金への影響が一時的なものにとどまらない可能性もある」といった見方が示されるなど、円安が物価を押し上げるリスクに注視すべきとの意見が相次いでいました。

そのうえで金融政策について「今後、物価見通しの確度の高まりに合わせて適時適切に政策金利を引き上げていくことが必要である」とか「円安を背景に基調的な物価上昇率の上振れが続く場合には、正常化のペースが速まる可能性は十分にある」といった追加の利上げをめぐる議論が活発に行われていました。

植田総裁は18日の国会で「場合によっては政策金利が引き上げられるということも十分あり得る」と述べていて、来月の会合で日銀がどのような対応をとるかが焦点となります。