広島 “替え玉”保険金殺人事件 初公判 被告 起訴内容「黙秘」

3年前、広島県廿日市市のホテルで、知人の大学生にアルコールを摂取させ、意識障害を生じさせて殺害したなどの罪に問われている33歳の被告の裁判が始まり、検察は「被告は自身に多額の保険金をかけたうえで、大学生を自分の『替え玉』として殺害し、保険金を受け取ろうとした」と主張しました。一方、被告の弁護士は「殺害や殺意について争う」などと述べました。

広島市西区の職業訓練生、南波大祐被告(33)は、3年前、知人の愛知県の21歳の男子大学生に、4種類の睡眠導入剤を混入させた飲食物を摂取させて、廿日市市内のホテルに連れ込み、注射器を使ってアルコールを摂取させ、意識障害を生じさせて殺害したとして、殺人などの罪に問われています。

18日、広島地方裁判所で開かれた初公判で、被告は、起訴された内容について「すべて黙秘します」と述べ、被告の弁護士は、睡眠導入剤を摂取させてホテルに連れ込んだことは認めたうえで、「殺害や殺意について検察が立証できているか争う」などと述べました。

検察は、冒頭陳述などで「被告は自身に5億5000万円の生命保険をかけたうえで、大学生を自分の『替え玉』として殺害し、自分の弟になりすまして保険金を受け取ろうとした。犯行の1か月前には、名古屋市内のホテルでスズメバチを使って大学生を殺害しようとした。インターネットで『替え玉、保険金殺人』とか『毒殺、ばれない』などと検索した記録が残っている」などと主張しました。

今後の裁判では、対応した救急隊員の証人尋問や、被告人質問などが行われ、7月2日に判決が言い渡される予定です。