北海道 トラックと高速バス衝突5人死亡事故から1年 犠牲者悼む

北海道八雲町でトラックが高速バスと衝突しバスの乗客と双方の運転手の5人が死亡、12人がけがをした事故から18日で1年になります。事故現場の近くでは、多くの人が花を手向けて犠牲者を悼みました。

去年6月18日、八雲町の国道5号線で養豚会社のトラックが都市間高速バスと衝突し、バスの乗客3人と双方の運転手の合わせて5人が死亡したほか、乗客12人が重軽傷を負いました。

事故から1年となる18日、現場の近くでは犠牲者を悼む式典が開かれ、警察や町の担当者のほか、地元の人などおよそ170人が参列しました。

参列者全員で犠牲者に黙とうをささげたあと、花を手向けて静かに手を合わせていました。

また、式典では八雲町の岩村克詔町長が「交通安全に対する町民の意識を高めるため、積極的に取り組んでいく」とあいさつし、交通安全運動への決意を新たにしていました。

現場付近では、走行中のドライバーに黄色い旗を振って安全運転を呼びかける活動も行われるなど、18日は犠牲者を悼み、安全への誓いを新たにする一日となります。

一方、事故をめぐっては、トラックの運転手が事故前日に体調不良を訴えていたのに、勤務を交代させなかったなどとして、勤務先の安全運転管理者ら2人が、ことし3月に業務上過失致死傷の疑いで書類送検されていて、今後、検察庁が起訴するかどうかを判断することになります。

トラック運行会社社長「心からおわび」

事故を起こしたトラックを運行していた青森県の養豚会社「日本クリーンファーム」の吉原洋明社長は、18日朝早く、八雲町の現場を訪れて手を合わせていました。

このあと、吉原社長はNHKの取材に応じ「事故で亡くなられた方々に心からご冥福をお祈りしたいと思います。また、ご遺族の皆様に改めてお悔やみと心からのおわびを申し上げます。本当に申し訳ございません」と改めて陳謝しました。

そのうえで吉原社長は、再発防止への対応について「従業員の健康状態の把握を、より一層強化していくとともに、人員の確保や運行の見直し、協力会社との連携の強化に取り組んでいきます。あのような事故を二度と起こさないように従業員が一丸となり、安全運転を誓って業務を進めてまいります」と話しました。