中小企業の事業承継 仲介業者とのトラブル増 国が指針改訂へ

後継者不足などを背景に中小企業の間で事業承継のニーズが高まる一方、仲介業者とのトラブルも増えています。
昨年度の国への相談件数は前の年度の2倍近くに上り、国はトラブルの防止に向けて、事業承継の指針を改訂することにしています。

跡継ぎがいない中小企業の経営者が仲介業者を介して第三者に事業を引き継ぐケースは高齢化を背景に増えていて、中小企業庁は3年前、優良な仲介業者を選びやすくするために登録制度を設け、ことし3月時点で3000を超える事業者が登録しています。

一方で、事業の売り手と仲介業者のトラブルも目立つようになり、昨年度の中小企業庁への相談件数は32件と、前の年度の2倍近くに上っています。

買い手企業の情報提供が不十分だったなどとして、売り手企業が仲介業者を提訴するケースも出ていて、中小企業庁ではトラブルの防止に向けて、仲介業者などが守るべきルールを定めた事業承継の指針を今年度中に改訂することにしています。

具体的には
▽買い手企業の正確な情報を調べるよう仲介業者に求めることや
▽悪質な買い手企業などの情報を仲介業者が共有することを検討しています。

中小企業庁は「事業承継が増えれば、さまざまなトラブルも予想されるので、指針を見直すことで対策を強化していきたい」としています。