岸田首相 スイス到着 ウクライナ支援の連携を呼びかけへ

イタリアでのG7サミットの日程を終えた岸田総理大臣は、次の訪問先のスイスに到着しました。

ウクライナの和平に関する国際会議に出席し、平和の実現に向けた取り組みを継続する決意を示し、関係国に連携を呼びかける方針です。

イタリアで開かれていたG7サミットは、ロシアの凍結資産をウクライナ支援に活用することで合意したほか、中国企業を含め、ロシアを実質的に支援する第三国の団体に、必要な措置を講じていくことを確認しました。

またインド太平洋情勢をめぐっては、中国による過剰生産などへの懸念も共有し、連携して対応していくことなどで一致し、首脳宣言に成果をまとめました。

一連の日程を終えた岸田総理大臣は記者団に対し「去年の広島サミットの成果をしっかりと引き継ぎ、国際社会が直面する課題に結束して対応することを確認できたという意味で有意義だった」と述べました。

そして岸田総理大臣は日本時間の15日午後10時過ぎ、政府専用機で次の訪問先のスイスに到着しました。

このあとウクライナが提唱する和平案に関する国際会議「平和サミット」に出席し、日本としても公正で永続的な平和の実現に向けた支援を続けていく決意を示し、関係国に連携を呼びかける方針です。

メローニ首相「日本との関係を着実に強化させていきたい」

G7の議長国、イタリアのメローニ首相は、15日、プーリア州で開かれていたサミットの締めくくりとして記者会見しました。この中で、サミットの主な議題のひとつとなったインド太平洋地域の情勢についてイタリアとしても関与を強める考えを強調しました。

そのうえで「日本との関係を着実に強化させていきたい」と述べ、両国でとりまとめた「行動計画」に基づいて安全保障分野などで日本との連携をいっそう強化していく方針を示しました。

イタリアはこの夏には空母「カブール」を日本に初めて寄港させることにしています。一方でメローニ首相は、今後数週間以内に中国を訪問する予定があることも明らかにしました。イタリアは、G7の中で唯一、中国の巨大経済圏構想、一帯一路に参加していましたが、去年、離脱することを中国側に伝えています。

メローニ首相は会見で、「中国は主要なプレーヤーで対話を進めたい相手だ」と述べ、中国との対立は避けたいとの思惑もにじませました。