被災住宅でシロアリ被害相次ぐ “余震で倒壊の危険性増す”

能登半島地震で被災した住宅で活発化したシロアリが発生し、業者に駆除や調査の依頼が相次いでいることがわかりました。専門家は、シロアリの被害が放置されれば余震による倒壊の危険性が増すと指摘しています。

能登半島地震で被災し、準半壊と判定された石川県穴水町の住宅では、先月、壁の隙間からシロアリが入り込み、床全体に広がっていたということです。

この住宅に住む60代の女性は「シロアリが原因で家の基礎が腐って、余震が来ると壊れてしまうのではないかと思います。これから雨が多い時期に入るので、どうなってしまうのかと不安ばかりです」と話していました。

石川県内でシロアリの駆除を行う金沢市の建設業者によりますと、4月から13日までに、穴水町を含む奥能登地域の4つの自治体にある中規模半壊や半壊と判定された住宅8戸で駆除を行っていて、今月も、調査の依頼が相次いでいるということです。

建設業者の担当者は「仮設住宅や避難所で生活し、住宅を離れている人は被害に気付いていない可能性があり、実際の被害は把握しているよりも多いのではないか」と話しています。

住居の安全性に詳しい大阪公立大学の宮野道雄客員教授は「今後、シロアリが放置されることによって建物の状況が悪くなり、余震の揺れが大きければ、危険性が増す。梅雨のような湿り気が多いほうが増長する可能性があり、シロアリが外を飛んでいないかなど、ふだんの生活の中で注意深く確認するといった、日頃からのメンテナンスが大事になってくる」と指摘しています。