北朝鮮の風船 韓国の800か所近くに落下 “6割が脅威感じる”

北朝鮮が5月以降、韓国に向けて飛ばしたごみをぶら下げた風船は、韓国の800か所近くに落下していたことがわかりました。現地の世論調査では全体の6割が脅威に感じると回答しています。

北朝鮮は、韓国から脱北者団体が飛ばした北朝鮮の体制を批判するビラへの対抗措置だとして5月28日以降、ごみをぶら下げた多数の風船を韓国に向けて飛ばしました。

韓国の警察庁が国会議員に公開した資料によりますと、北朝鮮はこれまでに合わせて1600個以上の風船を飛ばしたとみられ、このうち韓国の778か所で落下が確認されたということです。

風船は、首都ソウルや東部のカンウォン(江原)道、それに南東部のキョンジュ(慶州)など広い範囲にわたって落下しています。

韓国の専門家からは風船が生物化学兵器などを使った攻撃にも使用が可能だとして懸念の声が出ています。

14日に公表された韓国の世論調査によりますと、北朝鮮の風船について「脅威」と回答したのは60%、「脅威ではない」は36%でした。

韓国軍は6月9日、風船への対抗措置として、大音量のスピーカーによる北朝鮮向けの宣伝放送を南北の軍事境界線付近で6年ぶりに実施し、今後の放送については北朝鮮の行動次第だとしています。

北朝鮮はその後、風船を飛ばしておらず、韓国軍が警戒を続けています。