食料不足への対応盛り込んだ法律 参院本会議で成立

食料安全保障の強化に向けて、異常気象や紛争などの影響で食料が不足した場合への対応を盛り込んだ新たな法律が、14日の参議院の本会議で可決・成立しました。

「食料供給困難事態対策法」は、コメや小麦、畜産物など重要な食料が不足する事態に備えるための法律で、異常気象や紛争などの影響で食料が大幅に不足する予兆があった場合、内閣総理大臣をトップとする対策本部を設置し、関係する事業者に、生産や輸入の拡大、出荷や販売の調整などを要請できるとしています。

そして、実際に大幅な食料不足が起きた場合などには、生産や出荷などに関する計画の提出や変更を指示できるとし、計画を提出しない事業者には20万円以下の罰金を科すとしています。

さらに、最低限必要な食料も確保できないような場合は、コメやさつまいもなど、カロリーの高い作物への生産転換を要請したり、指示したりすることができるとしています。

この法律は14日の参議院の本会議で採決が行われ、賛成多数で可決・成立しました。

政府は今後、法律の対象となる具体的な品目を政令で定めるなどの手続きを進め、来年6月までにこの法律を施行することにしています。