キリンHD ファンケルにTOB発表 完全子会社化目指す方針

大手飲料メーカーの「キリンホールディングス」は、健康食品や化粧品を手がける「ファンケル」に対してTOB=株式の公開買い付けを行い、完全子会社化を目指すと発表しました。主力のビール類の市場が伸び悩む中、健康関連の事業を強化するねらいです。

キリンホールディングスは、2019年にファンケルに対し、およそ1300億円を出資して筆頭株主となり、現在、株式のおよそ33%を保有しています。

発表によりますと、今回、キリンは、ファンケルに対して6月17日から7月29日までTOBを実施し、残りの株式を買い付けて完全子会社化を目指すということです。

TOBによる買収額は、およそ2200億円に上る見込みだとしています。

健康志向の高まりを背景に主力のビール類の市場が伸び悩む中、キリンは去年8月に健康食品を手がけるオーストラリアの企業を買収するなど、健康関連の事業を強化していて、ファンケルを完全子会社化することで事業を加速するねらいがあります。

キリンホールディングスの吉村透留取締役常務執行役員は、記者会見で「事業基盤をさらに強化し、アジア・太平洋地域で最大級のヘルスサイエンス企業を実現できると考えている」と述べ、2030年代には世界での健康関連の事業の売り上げを、5000億円規模に成長させる考えを明らかにしました。