海自ヘリ衝突事故 鳥島沖合の海底で無人探査機使い機体捜索へ

ことし4月、伊豆諸島沖で海上自衛隊のヘリコプター2機が訓練中に衝突して墜落した事故で、水深およそ5500メートルの海底に沈んでいるとみられる機体などを捜索するため、JAMSTEC=海洋研究開発機構は防衛省からの依頼を受け、来月上旬にも水深6000メートルまで調査可能な無人探査機を使って海底の捜索を始めることが関係者への取材でわかりました。

ことし4月、伊豆諸島の鳥島の沖合で海上自衛隊の哨戒ヘリコプター2機が潜水艦を探知する訓練の最中に衝突して墜落した事故では、乗っていた隊員8人のうち1人の死亡が確認されましたが、残りの7人は行方不明となり、海上自衛隊はこの7人についても生存の可能性は低いなどとして死亡と判断したと発表しました。

これまでの捜索でフライトレコーダーなどが回収されていますが、機体の主要部分の発見には至っていないことから、関係者によりますと深海研究などを行うJAMSTECが、防衛省からの依頼を受けて来月上旬にも無人探査機での捜索を始めることが関係者への取材でわかりました。

機体は水深およそ5500メートルの海底に沈んでいるとみられることから、最大で水深6000メートルまで調査可能な無人探査機「ディープ・トウ」を使用し、搭載されている高性能のカメラやソナーで、海底を広範囲に捜索する計画だとしています。

「ディープ・トウ」は、2008年に海上自衛隊のイージス艦と漁船が衝突した事故で、漁船のものとみられる機器を水深1800メートル余りの海底で発見したほか、1999年には打ち上げに失敗した大型ロケット「H2」の、海底に沈んだエンジンを小笠原諸島沖の水深およそ3000メートルで発見するなど、これまでにもさまざまな事故の調査に使われてきました。