停戦新提案 イスラエルとハマス 双方が非難し合う 交渉難航か

イスラエルとイスラム組織ハマスとの停戦と人質解放に向けた新たな提案をめぐって、双方とも提案を受け入れていないのは相手側だと非難し合っていると伝えられ、交渉が難航していることがうかがえます。

イスラエルとハマスの戦闘が長期化する中、アメリカは先月、6週間の停戦と人質解放を含む3段階からなる新たな提案を公表し、国連安全保障理事会も提案を支持する決議を採択して双方に受け入れを求めています。

交渉の仲介にあたるエジプトとカタールは11日、ハマス側から提案への回答があったことをSNSで明らかにしました。

詳細は明らかになっていませんが、イスラエルの当局者はロイター通信に対し「ハマスは人質解放の提案を拒否している」と話し、懐疑的な見方を示しています。

一方、イスラエルの有力メディア、ハーレツは12日、ハマスの関係者の話として、ハマスは提案を大筋で受け入れているとしたうえで、「提案を拒否しているのはイスラエル側だ」と主張していると伝えています。

また、サウジアラビアなどアラブ系のメディアは、イスラエル軍のガザ地区からの撤退の時期や範囲、人質解放の手順などをめぐって駆け引きが行われていると報じています。

あくまでハマスの壊滅を目指すイスラエル側と、恒久的な停戦を求めるハマス側の溝は依然として大きく、交渉は難航していることがうかがえます。

ガザ地区では12日もイスラエル軍の空爆などが行われているとみられ、ガザ地区の保健当局はこれまでに3万7164人が死亡したと発表しています。