栃木 那須町 8人死亡雪崩事故裁判 教諭ら3人が控訴 判決を不服

7年前、栃木県那須町で登山の訓練中に雪崩に巻き込まれ高校生など8人が死亡した事故の裁判で先月、宇都宮地方裁判所で禁錮2年の実刑判決を言い渡された3人の教諭らが判決を不服として12日控訴しました。

2017年3月、那須町の茶臼岳で歩行訓練中に雪崩に巻き込まれ、生徒7人と教員1人が死亡し多くの生徒がけがをした事故では、生徒の引率などにあたった教諭の猪瀬修一被告(57)と、菅又久雄被告(55)、元教諭の渡辺浩典被告(61)の3人が業務上過失致死傷の罪に問われました。

裁判では雪崩が予見できたかが争われ、宇都宮地方裁判所は先月30日、「地形や新たな積雪などの状況を踏まえると雪崩の危険を予見することは十分に可能だった」と指摘し3人に禁錮2年の実刑判決を言い渡しました。

裁判所によりますと、3人は12日、この判決を不服として控訴したということです。

部活動中の安全管理をめぐる教諭らの刑事責任を問う裁判は、2審の東京高等裁判所で改めて審理されることになります。

栃木県教育委員会 教育長「引き続き裁判の経過を見守る」

栃木県教育委員会の阿久澤真理教育長は、「引き続き裁判の経過を見守るとともに、このような痛ましい事故を決して忘れることなく、今後とも安全管理・危機管理を徹底し、再発防止に取り組んで参ります」とコメントしています。

遺族「控訴は残念 棄却されることを望む」

控訴について、雪崩事故で当時、高校1年生だった長男を亡くした奥勝さんは「3人には判決を受け止めて反省してほしいと思っていましたが、控訴したと聞き、残念に思います。判決は強固なものだと信じていますので、今後、棄却されることを望みます」と話しました。