政治資金規正法改正 野党側 支出実態が分かる仕組み求める方針

政治資金規正法の改正をめぐり、自民党は「政策活動費」の領収書を公開する対象範囲などを今後、各党と検討する考えを示しました。立憲民主党や日本維新の会など野党側は、支出の実態が分かる公開の仕組みとするよう求めていく方針です。

参議院で審議が続く自民党の政治資金規正法の改正案では日本維新の会の主張を踏まえ、党から支給される「政策活動費」の支出について10年後に領収書などを公開するとしています。

11日の審議で立憲民主党の小西洋之氏は「党の役職者からお金を受け取った国会議員の支出に関わる領収書は対象に含まれないのではないか」とただしました。

自民党の鈴木馨祐氏は領収書の公開は幹事長など幹部の支出を前提としていると説明する一方、公開する対象範囲などを今後、各党と検討する考えを示しました。

これについて立憲民主党が「最終的な使いみちが分からなければ意味がない」と指摘しているのに加え、衆議院で改正案に賛成した日本維新の会からも「できるだけ黒塗りの部分をなくすべきだ」という意見が出ていて、野党側は支出の実態が分かる公開の仕組みとするよう求めていく方針です。

一方、国会議員に支給されている「調査研究広報滞在費」の使いみちや公開のあり方をめぐり、自民党の浜田国会対策委員長は今の国会での法改正は困難だという認識を示しました。

日本維新の会は、先に行われた自民党との党首会談では立法措置を講じることで合意していると反発していて実現を迫ることにしています。

岸田首相「調査研究広報滞在費 維新と党首間で合意」

岸田総理大臣は総理大臣官邸で、国会議員に支給されている旧「文書通信交通滞在費」、現在の「調査研究広報滞在費」について、「私と日本維新の会の馬場代表との間で、衆参両院の議長のもとに設置される議論の場で前向きに検討を行い、使途の公開と残金返納を義務づける立法措置を講じることで合意している。これは公党の党首間の合意で、文書でも確認しており重たいものだ」と述べました。

そのうえで、「具体的な実現の時期は合意文書に記載されていないが、早期に結論を得たいという私の思いは国会でも繰り返し答弁しており、自民党として誠心誠意対応していくとの方針は変わっていない」と述べました。

立民 安住国対委員長「維新に対する批判も非常に強い」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「自民党の法案は、ギリギリのところで『ポン』と出してきたので、穴が非常に多く、肝心なところは『検討』が多い。国会の最終盤に政治資金規正法の改正の議論があることはわかりきっていたのに、自民党は整えていなかった。しかたなく無理やり法案をつくっており、岸田総理大臣や自民党が『裏金』問題に熱心ではないことの証明だ」と述べました。

また、安住氏は、このあと党の会合で「『政策活動費の公開は10年先でいい』と言った日本維新の会に対する批判も非常に強い。安易な妥協をして政権の延命に手を貸したととられるのは、維新の会も本意ではないかもしれないが、われわれは厳しい態度をしっかり示して、自民党との違いを見せて、国民の審判を仰ぐ流れに持っていかなければならない」と述べました。

維新 馬場代表「不祥事を処理できないなら信を問う状況に」

日本維新の会の馬場代表は、党の役員会で「われわれは今後、細部を詰めていくことを前提に、衆議院で自民党の法案に賛成した。自民党が『衆議院を通ったから参議院は適当にやればいい』ということであれば、非常に遺憾だ。また、党首間で合意した『調査研究広報滞在費』の使いみちの公開などについて、きのう、自民党の国会対策委員会の幹部から非常に後ろ向きな発言があった。夏休みの宿題ではなく『時間がないからできない』ということは通用しない」と述べました。

そのうえで、「自民党がいいかげんな行動や言動をするなら、参議院では法案の採決で違う対応をとることもありえる。また、内閣不信任決議案も、今までは『恒例行事につきあえない』と言ってきたが、今回はそういう状況ではない。自分の不祥事を処理できないならば、政権政党としての力も国民から疑われ、どちらの言うことが合っているか、衆議院を解散し信を問わなければならない状況になってくる」と指摘しました。

共産 田村委員長「党の法案を可決させたい」

共産党の田村委員長は記者会見で「政策活動費の公開が10年後では、有権者は自分が1票を投じた政治家がどのようなお金の使い方をしているのか、次の選挙のときにチェックできない。衆議院から送られてきた法案は『改悪案』であり、共産党が提出した企業・団体献金を全面禁止する法案と、どちらが国民の期待に応えられるかは明らかだ。対決点を明確にし、党の法案を可決させたい」と述べました。

国民 玉木代表「ザル法に公明 維新 なぜ賛成したか追及」

国民民主党の玉木代表は党の会合で「自民党の修正案はザル法であることが参議院の審議を通じて、ますます明らかになってきている。衆議院で法案に賛成した公明党や日本維新の会からも問題だという声が上がっているが、それならなぜ賛成したのか。参議院でも追及し、たくさんある穴を1個でも埋めるようにしたい」と述べました。