建設業界 新工法で作業効率化の動き広がる 2024年問題に対応

ことし4月から時間外労働の上限規制が適用された建設業界では、人手不足の深刻化が懸念される2024年問題に対応しようと、コンクリートを流し込む型枠の組み立て作業を省力化するなど新たな工事の方法を導入する動きが広がっています。

鹿島建設などは、ビルの建設現場などで壁や柱を設ける際、設計どおりの形となるようコンクリートを流し込む「型枠」という枠について、組み立て作業を省力化する方法を開発しました。

型枠には強度が必要で、従来は、鉄鋼製のパイプ2本1組で型枠を囲っていましたが、より強くて軽いアルミ製のパイプを活用して、使うパイプの数を1本にすることなどで組み立てを簡単にしました。

5階建てマンションの建設工事で、両方の工法を実際に使って比べたところ、職人の数を15%程度、減らせる効果が確認できたということです。

鹿島建設 建築管理本部の掛谷誠課長は「型枠工事は、特に高齢化が進み人手不足が深刻だった。この技術を他社にも広げ、業界全体で課題を解決したい」と話していました。

一方、戸田建設や東急建設などは、レーザー技術に強みを持つカナダの企業と提携し、デジタル化した設計図を、現場の床や天井に直接、映し出す技術の導入を進めています。

設計図をもとに1本1本、線を引く方法と比べて、職人の数を大幅に減らすことができるということで、2024年問題に対応しようと、新たな工法を導入し現場の作業の効率化を目指す動きが広がっています。