【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6月12日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる12日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ空軍 “ロシア軍の無人機やミサイルを撃墜”

ウクライナ空軍は12日、ロシア軍が24機の無人機や、ミサイルによる攻撃を各地に仕掛け、ミサイル1発をのぞいてすべて撃墜したと発表しました。

キーウ州の地元知事によりますと、落下した残骸で1人がけがをし、産業関連の施設や倉庫で火災が起きたいうことです。

ウクライナ軍 無人機などに特化した新部隊を公開

こうした中、ウクライナ軍は11日、陸軍や空軍などとは別にことし新たに発足させた無人機や無人艇などに特化した部隊を首都キーウで公開しました。

会場ではさまざまなタイプの無人機が展示され、爆弾を搭載する無人機や、カメラのようなものが設置された無人艇などが紹介されました。

新たに就任したスハレフスキー司令官は「われわれがルールを決め始めている。その第1段階として、軍の新しい部隊を創設した」と述べ、専門部隊の発足で無人機の開発や運用で主導権を握るとともに、作戦の効率化などを図っていく考えを示しました。

無人機などに特化した軍の部門はことし2月、ゼレンスキー大統領が創設を発表し、年内に100万機を国内で製造する計画を掲げています。

軍事侵攻が始まって以降、ロシアとウクライナの双方は上空からの偵察や相手の部隊への攻撃などさまざまな目的で無人機を大量に戦場に投入していて、重要性が高まり続けています。

ロシア国防省 “北方艦隊が大西洋で演習”

ロシア国防省は11日、北方艦隊の原子力潜水艦やフリゲート艦などが、大西洋で高精度ミサイルの発射を想定した軍事演習を始めたと発表しました。

これらの艦船は中米のキューバに寄港する予定で、ウクライナへの軍事支援を強化するアメリカをけん制するねらいがあるとみられます。

ロシア国防省の発表によりますと、大西洋で始まった演習には、北方艦隊の原子力潜水艦「カザン」と極超音速ミサイル「ツィルコン」を搭載できるフリゲート艦などが参加しています。

演習は、コンピューター上で600キロ以上離れた敵に対し高精度ミサイルを発射する想定で行われるということです。

また、ロシアメディアによりますと、演習に参加する原子力潜水艦とフリゲート艦を含むロシア海軍の艦船4隻は、12日にキューバのハバナ港に寄港する予定です。

これについて、キューバ国防省は「いずれの艦船も核兵器を搭載しておらず、この地域への脅威にはならない」としています。

艦船をキューバに寄港させるロシア側のねらいについて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「歴史的にアメリカと緊迫する関係にある国との強い関係を強調し、アメリカに対し、ウクライナをこれ以上支援するような政策をとらないよう自制を迫る作戦の一環ではないか」という分析を示しています。

米高官 “ロシア凍結資産を活用し新たな措置”

ロシアによる軍事侵攻が3年目に入る中、G7各国は制裁で凍結したロシア中央銀行の資産について、その利子から得られる収益をウクライナへの支援に活用することを検討しています。

これについてアメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は11日、記者団に対し今月13日からイタリアで開かれるG7=主要7か国の首脳会議で議論するとした上で「ウクライナの再建を支援するため、凍結した資産の活用に向けて取り組むことについては意見の一致を見るだろう」と述べました。

その上で「われわれは新たな一歩を発表する」と述べて資産の活用に向けた新たな措置を発表するとの見通しを示しました。

さらにカービー補佐官はロシアによる軍事侵攻に使われる物資の調達を支援する団体などを対象に、新たな制裁と輸出規制の措置を発表すると明らかにしました。

またカービー補佐官は、バイデン大統領がG7の首脳会議に合わせて13日にウクライナのゼレンスキー大統領と首脳会談を行い、共同で記者会見を行うとしています。

ゼレンスキー大統領 ベルリン連邦議会で演説

ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、ドイツの首都ベルリンの連邦議会で演説し、ウクライナが提唱する和平案の実現に向けた国際会議について「ロシアは阻止しようとしたが開催される。ウクライナとほかの国々が共に成し遂げた成功だ」と述べ、多くの国の支援を得ているとその意義を強調しました。

また、「分断されたドイツは幸せではなかった。ロシアがウクライナ国内を分断しようとする企てに私たちがなぜ全力で抵抗しているか理解できるはずだ」と述べ、冷戦で2つの国家に分断されたドイツの歴史に触れながら、支援の継続を呼びかけました。

ドイツは、ロシアの侵攻を受けて紛争地への兵器の供与に慎重だったそれまでの方針を転換し、軍事支援額がアメリカに次いで多くなっています。

ただ、ゼレンスキー大統領の演説について、ドイツの政党のうち、先のヨーロッパ議会選挙で議席を増やしたロシア寄りで軍事支援に消極的な右派政党「ドイツのための選択肢」は「戦争の継続ではなく和平交渉を優先すべきだ」などと批判しておよそ80人の議員のほとんどが欠席しました。

ロシア 新興国や途上国との連携強化

ロシアや中国、インドなどの新興国で作るBRICSの外相会議は、11日までの2日間、ロシア西部の都市ニジニ・ノブゴロドで行われ、今回、新たにイランやUAE=アラブ首長国連邦などが加盟して拡大したかたちで意見が交わされました。

11日はBRICSへの関心を寄せる国々の外相らも加わり、2日間の会議を終えたあと議長国を務めたロシアのラブロフ外相は会見で「われわれに関心を持つ国は着実に増えて30か国に近づいている」と成果を強調しました。

一方、ラブロフ外相はウクライナが提唱する和平案の実現に向けて開かれる国際会議について「完全に空虚で価値のない会議だ」としてロシアが参加しない会議には意味がないとして改めて批判しました。

ドイツでウクライナ復興会議

日本も含め60か国以上の政府や企業の関係者などが集まるウクライナの復興会議がドイツで開かれ、ゼレンスキー大統領は、復旧や復興を進めていくためにもロシアの攻撃を防ぐ防空システムへの支援の強化が必要だと訴えました。

会議にはゼレンスキー大統領が直接参加して演説し、ロシアが電力関係のインフラを意図的に攻撃していると非難し、復旧を急ぐため支援や投資などを呼びかけました。

その上で「防空能力がすべての答えだ」と述べ、ロシアの攻撃を防ぎながら復旧や復興を進めるために少なくとも7基の防空システム「パトリオット」の追加供与が必要だと訴えました。

会議では支援の表明も相次ぎ、EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は、ウクライナへ民間投資を促進するため14億ユーロ、日本円で2300億円余りの支援策を行うと発表しました。

“プーチン大統領 来週前半にも北朝鮮訪問へ調整”

ロシアのプーチン大統領が来週前半にも北朝鮮を訪問する方向で調整が進められていると複数の外交関係者が明らかにしました。

プーチン大統領は、去年9月、ロシア極東のアムール州にある宇宙基地でキム・ジョンウン(金正恩)総書記と首脳会談を行った際、北朝鮮への招待を受けていて、プーチン大統領が今回、北朝鮮を訪問すれば2000年7月以来24年ぶりとなります。

ロシアは、ウクライナへの軍事侵攻が長期化し、兵器不足に陥る中で北朝鮮から砲弾などを調達しているとされ、プーチン大統領は、北朝鮮を訪問してキム総書記と会談するなどして軍事的な連携をいっそう強めたいねらいもあるとみられます。