“社会保障給付費 2040年には165兆円に”民間シンクタンク試算

少子高齢化の進展で、社会保障給付費が、高齢者人口がピークを迎える2040年には165兆円に上るという試算を民間のシンクタンクがまとめました。財政への負担がさらに大きくなることから、高齢者の自己負担割合の引き上げや、医療・介護の提供体制の効率化などで抑制を図っていくべきだとしています。

この試算は三菱総合研究所が行いました。

それによりますと、2040年には年金や医療、介護などの社会保障給付費は165兆円に上り、132兆円だった2020年度の1.25倍になるとしています。

このうち、医療や介護の給付費は2020年度の1.5倍近い80兆円余りに上り、制度の持続可能性を図るとともに、財政への負担の抑制を図るためには制度改革が急務だとしています。

そして、地域の医療・介護の提供体制を再編したり、集約したりして効率化を図ったうえで、金融資産を考慮し、高齢者の医療費や介護費の自己負担割合を原則3割に引き上げることや、一定期間、診察を受けなくても繰り返し使える「リフィル処方箋」の利用義務化などを求めています。

こうした改革で7兆3000億円の抑制が見込まれるとしていて、三菱総合研究所の柿沼美智留主任研究員は「制度改革に加え、税による財源確保策などついても踏み込んで国民と議論していくべきだ」と話しています。