米 橋崩落のボルティモア港 残骸撤去終了 主要航路が再開

アメリカ東部メリーランド州でことし3月、全米有数の海運拠点であるボルティモア港の出入り口にかかる橋が大型の貨物船による衝突で崩落した事故で、2か月以上にわたる残骸などの撤去作業が終わり、主要な航路が再開されました。

アメリカ東部メリーランド州の最大都市ボルティモアでは、ことし3月、全米有数の海運拠点である港の出入り口にかかる橋の橋脚に大型の貨物船が衝突して橋の大部分が崩落し、作業員6人が転落して死亡しました。

この事故で、橋の残骸などによって港の出入り口がふさがれ、船の航行が制限されてきましたが、現場の復旧作業を行っていた当局は10日、主要な航路が再開されたと発表しました。

復旧作業は州や連邦政府の機関に加え、陸軍の工兵部隊なども動員して2か月以上かけて進められ、先月20日に現場に残されていた貨物船が撤去されたほか、一連の作業で取り除かれた橋の残骸はおよそ5万トンに及んだということです。

メリーランド州は4年後の2028年までの橋の再建を目指していて、費用は17億ドル以上、日本円にして2600億円以上かかると見込んでいます。

一方、事故の調査にあたっているNTSB=国家運輸安全委員会は先月、事故の前に貨物船で複数回にわたる停電があり、一部の機器が機能しなくなったことが衝突につながったとする中間報告書をまとめていますが、停電の原因については引き続き調査中だとしています。