【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6月11日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる6月11日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

BRICS外相会議開催 議長国ロシア 欧米に対抗姿勢強めるか

ロシアや中国、インドなどの新興国で作るBRICSの外相会議は、11日までの2日間、ロシア西部の都市ニジニ・ノブゴロドで開かれています。

議長国を務めるロシア政府によりますと、ことしから新たにイランやUAE=アラブ首長国連邦などが加盟し、10か国に拡大したかたちで意見が交わされています。

11日は、東南アジアのタイや中東のトルコなど、BRICSへの関心を寄せる国々の外相らも加わり、あわせて22か国からの参加も予定されているということです。

一方、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナを支援する欧米側は、先週、フランスにゼレンスキー大統領を招き、マクロン大統領やアメリカのバイデン大統領などが会談を行い支援を続ける姿勢を示しました。

さらに、今週にはG7=主要7か国の首脳会議やウクライナが提唱する和平案を巡る国際会議なども開催し、ウクライナへの関与を強めています。

世界銀行によりますと、現在のBRICS加盟などの10か国の人口をあわせると、36億1000万で世界の総人口のおよそ45%に上るということです。

ロシアは、BRICSについて、「新たな世界システムの中核になる」と主張し、拡大する加盟国との連携を強めるとともに議長国としての立場を最大限生かし、欧米側への対抗姿勢を強めていくとみられます。

ロシアと中国の外相が会談 欧米をけん制

BRICSの外相会議にあわせて、ロシアのラブロフ外相が中国の王毅外相と会談しました。

スイスでは今週、ウクライナが提唱する和平案の実現に向けて国際会議が開かれますが、ロシアはみずからが参加しない会議を批判していて、中国も5月、欠席する方針を表明しています。

ロシア外務省によりますと、会談でラブロフ外相は王外相に、「中国のバランスがとれて一貫した方針に感謝の意を表した」として、中国が国際会議を欠席することに謝意を示し、中国との結束を強調しました。

そのうえで、「この会議はロシアの公平な参加などが検討されていない」としてロシア抜きで開かれる会議を改めて批判し、ウクライナや欧米諸国をけん制しました。

一方、中国外務省によりますと、王外相は「ロシア側がBRICSの議長国を務めることを全面的に支持し、『グローバル・サウス』の団結と自立を促進したい」と述べ、BRICSの枠組みを通じて新興国や途上国との連携を強化し、欧米に対抗していく姿勢を改めて打ち出しました。

「平和サミット」共同声明案 ロシア軍撤退触れず各国一致優先

ウクライナが提唱する和平案の実現に向けた国際会議「平和サミット」は、6月15日と16日にスイスで開かれる予定で、スイス政府は10日、90の国と国際機関が参加する見通しだと明らかにしました。

NHKは「平和サミット」で採択が目指されている共同声明の案を入手しました。

それによりますと、10項目からなる和平案のうち、今回は「原発の安全確保」と「食料安全保障」、それに「捕虜の解放と連れ去られた子どもの帰還」の3項目に絞られ、「ロシア軍の撤退」や「領土の回復」には触れられていません。

一方、共同声明案では「和平の実現にはすべての当事者の関与が必要だ」として今後の議論にロシアを参加させることの重要性が強調されています。

外交筋によりますと、ウクライナ側が訴え続けている「ロシア軍の撤退」などが盛り込まれなかった背景には、ロシアとの関係も重視するアジアや中東などの新興国の一部に配慮したという事情もあるということです。

ゼレンスキー大統領は、平和サミットについて、ウクライナにとって有利な形で戦争を終わらせるための枠組みにしたいと考えていて、まずは各国が一致して共同声明をまとめることを優先した形となっています。

ウクライナ各地でロシア軍とウクライナ軍の攻防続く

ウクライナ第2の都市の東部ハルキウでは、10日、ロシア軍による誘導爆弾を使った攻撃があり、地元の市長によりますと、住宅が大きく崩れるなどしてこれまでに少なくとも7人がけがをしたということです。

またゼレンスキー大統領は10日、前線の状況についてシルスキー総司令官から報告を受け、ハルキウ州ではウクライナ軍が反撃を続けているものの、ドネツク州は最も困難な状況にあるとしています。

一方、ウクライナ軍参謀本部は、ロシアによって一方的に併合された南部クリミアを9日夜に攻撃して最新鋭の「S400」1基を含むロシア軍の地対空ミサイルシステム3基を破壊したと発表し、「ロシアの防空部隊が大きな損害を被った」としています。

ウクライナが提唱する和平案の実現に向けて今週、スイスで国際会議が開かれるのを前に、ウクライナ各地ではロシア軍とウクライナ軍の攻防が続いています。