飯塚事件 再審認めない決定に不服 弁護団が福岡高裁に即時抗告

32年前、福岡県飯塚市で小学生の女の子2人が殺害されたいわゆる「飯塚事件」で、すでに死刑が執行された元死刑囚の再審=裁判のやり直しを認めなかった福岡地方裁判所の決定を不服として、弁護団は10日、福岡高等裁判所に即時抗告しました。

1992年、福岡県飯塚市で小学1年生の女の子2人が登校途中に連れ去られ、遺体で見つかったいわゆる「飯塚事件」では、殺人などの罪に問われた久間三千年元死刑囚(執行時70)の死刑が2006年に確定し、その2年後に執行されました。

元死刑囚は一貫して無罪を主張し、家族が裁判のやり直しを求めた2度目の申し立てについて、福岡地方裁判所は今月5日、弁護側が新たな証拠とした2つの目撃証言について、いずれも「信用できない」として再審を認めない決定をしました。

この決定を不服として弁護団は10日、福岡高等裁判所に即時抗告しました。

弁護団の岩田務弁護士は「福岡地裁の決定は、証拠とした目撃証言が信用できないということに限定して判断し、踏み込むことから逃げたと思っています。高裁は、2つの目撃証言を判断するうえで、重要な証拠の開示について、検察に命令をするなど裁判所の責務を果たしてほしい」と話していました。