米国務長官がイスラエル訪問し停戦など働きかけへ 交渉難航か

イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘が長期化し、住民の犠牲者が増え続ける中、アメリカのブリンケン国務長官が10日、エルサレムを訪れ、停戦や人質の解放に向けた交渉を働きかけることにしています。しかしイスラエルでは、戦時内閣から、中道派の主要閣僚が離脱したことで政権内で強硬派の極右勢力の発言力が高まるとみられ、交渉の難航も予想されます。

イスラエル軍は、10日もガザ地区の各地で攻撃を続けていて、パレスチナのメディアは南部のラファや北部のガザ市で死者やけが人が出ていると伝えています。

こうした中、アメリカのブリンケン国務長官が、10日、エルサレムを訪れ、ネタニヤフ首相と会談することにしています。

イスラエルは、アメリカの働きかけで、ハマスに対し、6週間の停戦と人質解放を含む3段階からなる新たな提案を行っていて、ブリンケン国務長官はこの提案を軸に交渉の進展を促すものとみられています。

しかし、この提案に対しては、ネタニヤフ政権の極右の閣僚から「ハマスの壊滅を諦めることを意味する」などとして受け入れられないと反発する声が上がっています。

9日には、中道派の野党の立場で戦時内閣の主要閣僚を務めていたガンツ前国防相が戦時内閣から離脱すると発表し、極右の閣僚のひとりは、ガンツ氏の後任にみずからを任命するようネタニヤフ首相に求めています。

今後、イスラエルの政権内では極右勢力の発言力が高まっていくとみられ、交渉による停戦の実現は、難航することも予想されます。