書面に“事件隠蔽は鹿児島県警元刑事部長の指示”も本人は否定

鹿児島県警察本部の元生活安全部長が個人情報を含む内部文書を第三者に漏らしたとして逮捕された事件で、元部長が文書に同封した書面には警察官の盗撮事件について元刑事部長の指示で隠蔽されたという趣旨の内容が書かれていたことが関係者への取材でわかりました。一方、元刑事部長は「盗撮事件の捜査指揮に携わったことはない」と否定しています。

鹿児島県警察本部生活安全部の元部長、本田尚志容疑者(60)は、退職後のことし3月下旬、個人情報などを含む内部文書を第三者に郵送し、職務上、知り得た秘密を漏らしたとして国家公務員法違反の疑いで逮捕されました。

関係者によりますと、郵送された内部文書には、元生活安全部長本人が書いたとみられる書面も同封されていて、この書面には警察官による盗撮事件について「元刑事部長の指揮は『静観しろ』だった」などと元刑事部長の指示で隠蔽されたという趣旨の内容が書かれていたということです。

こうした中、鹿児島県警は8日夜に元刑事部長のコメントを出し「盗撮事件の捜査指揮に携わったことはなく、本部長からも事件に関して指示を受けたことはない。『静観しろ』などと指示したこともない」と隠蔽を否定していることを明らかにしました。

逮捕された元生活安全部長は、今月5日に裁判所で行われた勾留理由の開示手続きでは、盗撮事件について本部長の名前をあげた上で「職員の犯罪行為を隠蔽しようとしたことが、許せなかった」などと主張していましたが県警本部長も隠蔽を否定していて警察は漏えいした動機やいきさつなどをさらに詳しく調べています。