テニス全仏OP 車いす男子シングルス 18歳の小田凱人が大会連覇

テニスの四大大会、全仏オープンの車いすの部は男子シングルスの決勝が行われ、世界ランキング2位で18歳の小田凱人選手が世界3位のアルゼンチンの選手にセットカウント2対0のストレートで勝って大会2連覇を果たしました。

世界ランキング2位で18歳の小田選手は2023年、全仏オープンを初優勝し、17歳1か月の史上最年少で四大大会男子シングルスを制しました。

全仏オープンは8日、車いすの部の男子シングルスの決勝などが行われ、大会2連覇を目指す小田選手は世界3位でアルゼンチンのグスタボ・フェルナンデス選手と対戦しました。

試合は第1セットの第3ゲーム、小田選手が持ち味の力強いバックハンドやフォアハンドの強烈なショットを決めて最初のブレークを奪うと、続く2ゲームを連取し、一気に流れをつかみました。そして、5-2とリードして迎えた第8ゲーム、フェルナンデス選手のパワーのあるショットに押され、ミスが続くなどして3ゲームを続けて落とし、5-5に追いつかれましたが、小田選手が終盤第11ゲームで粘り強いプレーを見せて立て直し、7-5でこのセットを取りました。

第2セットは小田選手が立ち上がりでブレークに成功すると、第5ゲームで緩急をつけたショットや相手のサーブを打ち返すリターンエースを決めて再びブレークを奪いました。そして、第9ゲームで小田選手が果敢に前に出る攻撃的なプレースタイルを見せ、最後はバックハンドの力強いショットを決めてこのセットを6-3で取り、セットカウント2対0のストレート勝ちで大会2連覇を果たしました。

小田選手は去年の全仏オープンとウィンブルドン選手権、それにことしの全豪オープンに続いて四大大会通算4勝目となりました。

全仏オープンの会場「ローランギャロス」は開幕まで3か月を切ったパリパラリンピックの会場として使われることになっていて、パリ大会の代表に内定している小田選手は金メダル獲得に向け弾みをつけました。

小田凱人「ベストを尽くすことができた」

小田凱人選手は試合後、表彰式の優勝スピーチを英語で行い「フェルナンデス選手は本当にパワフルで、ラリーをするのが大変で、パワーで上回らないといけない試合だった。タフなゲームだったがベストを尽くすことができた。試合を見ていただいた皆さん、ありがとうございます。この試合を楽しんでもらえたならうれしい」と笑顔で話しました。

そして、全仏オープンの会場がパリパラリンピックの会場として使われることを踏まえ「パラリンピックでここにまた戻ってきます。皆さんまた会いましょう」と話し、スピーチを終えると会場から拍手が送られました。

「負けられない戦い」制し次は「宿命」の大会へ

18歳の若さで2年連続2回目の全仏オープン優勝を果たした小田凱人選手。開幕まで3か月を切ったパリパラリンピックでの金メダル獲得に向け、確かな一歩を踏み出しました。

小田選手の名前の由来になっているのが、フランス・パリの名所、凱旋門。「勝ちどきをあげる」意味から名付けられ、その凱旋門があるパリでパラリンピック初出場となる小田選手は「宿命」と語るほどパリ大会に強い思いを抱いています。

そのパリパラリンピックに向け「ことし8月までの結果によって、変わってくると思う。勝てば勝つほどパラリンピックでの勝率は上がる」と話すなど、全仏オープンは小田選手にとってどうしても「負けられない戦い」でした。

試合は、序盤から強打が武器のフェルナンデス選手と力と力がぶつかり合う展開となります。

小田選手は第1セット、序盤から果敢に前に出て攻め「攻撃的スタイル」を見せました。「相手をパワーで上回らないといけない」と、バックハンドやフォアハンドの強烈なショットを次々に決めたほか、素早く車いすを1回転させ、決定打をたたき込む“魅せる”プレーを披露するなど小田選手らしいプレーが光ります。

終盤には、四大大会を通算5回制したフェルナンデス選手に3ゲームを連取され、5-5に追いつかれますが、小田選手が真骨頂を見せたのは、ここからでした。

第11ゲームに入ると、自分を鼓舞するように声を上げて一気にギアを入れ、コースを突くショットを相次いで決めたほか、勝負どころも粘り強く対応し、冷静な試合運びを見せてこのセットを取り、勝利をたぐり寄せました。

続く第2セットは小田選手が主導権を握り、最後はフェルナンデス選手のショットが大きく外れると両手を突き上げてラケットを放り投げ、全身で喜びを表現しました。

全仏オープンを初優勝し、史上最年少で四大大会を制してから1年、進化したプレーでさらなる成長をうかがわせた小田選手。自身初のパラリンピック金メダルへ、確かで大きな一歩となりました。