九州南部が梅雨入り 平年より9日遅く 急な強い雨などに注意

鹿児島地方気象台は前線の影響で、この先1週間も曇りや雨の日が多くなる見込みだとして8日午前、「九州南部が梅雨入りしたとみられる」と発表しました。

鹿児島地方気象台によりますと、湿った空気の影響で九州南部は鹿児島を中心に雲が広がり、雨が降っているところがあります。

前線の影響でこの先1週間も曇りや雨の日が多くなる見込みだとして気象台は8日午前11時、「九州南部が梅雨入りしたとみられる」と発表しました。

去年や平年と比べてそれぞれ9日遅い梅雨入りとなりました。

気象台によりますと、9日にかけて低気圧や前線が九州南部と奄美地方を通過し、暖かく湿った空気が流れ込む影響で、大気の状態が非常に不安定になる見込みです。

気象台は落雷や竜巻などの激しい突風、急な強い雨に注意するよう呼びかけています。

なぜ梅雨入り遅い?

気象庁によりますと西日本と東海、関東甲信の梅雨入りは、平年5月下旬から6月上旬ごろとなっています。

しかしことしは先月下旬に梅雨入りした沖縄・奄美と、8日の九州南部をのぞき梅雨入りしていません。

平年よりも遅れる傾向となっていることについて、気象庁は日本の南にある太平洋高気圧の張り出しが弱いためだとしています。

平年、この時期には日本の南の海域に高気圧が張り出し、梅雨前線が北上して西日本や東日本の各地に雨雲がかかりやすくなります。

しかし、ことしは太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、前線は沖縄付近で停滞しています。

その理由として太平洋西部の赤道付近では大気の対流活動が活発ではなく、太平洋高気圧の勢力が強まっていない可能性があるということです。

もう一つの要因が上空の偏西風です。

平年のこの時期は日本の上空を流れていますが、ことしは南に蛇行していて、梅雨前線が北上しにくくなっているとみています。

今後の見通しについて気象庁は太平洋高気圧が強まり、偏西風の蛇行も解消に向かうため梅雨前線は徐々に北上する見込みだとしています。

気象庁は今のうちに大雨への備えをしておくとともに、最新の気象情報などを確認するよう呼びかけています。