国連 イスラエルを「子ども権利を侵害した国」に指定

イスラエル軍によるガザ地区への攻撃で子どもの犠牲が増え続ける中、国連は、イスラエルを子どもの権利を著しく侵害した国のひとつに新たに指定したことを明らかにしました。これに対してイスラエルは、「イスラエル軍は世界で最も道徳的な軍隊だ」などと強く反発しています。

国連は、世界各地の武力紛争がもたらす子どもへの影響を調査し、報告書としてまとめていて、この中で、子どもの権利を著しく侵害した国を指定しリストにして公表しています。

去年の調査結果をまとめた最新の年次報告書は、今月中旬に公表される予定ですが、国連のデュジャリック報道官は7日の定例会見で、子どもの権利を著しく侵害した国のリストに新たにイスラエルを加えたとイスラエルの国連大使に電話で伝えたことを明らかにしました。

このリストには、内戦が続く中東のシリアやイエメンなどがあげられているほか、去年は、ウクライナに軍事侵攻を続けるロシアが加えられました。

イスラエルが新たに指定されたことに対し、ネタニヤフ首相は、声明で「国連は殺人者であるハマスを支持しみずからを歴史のブラックリストに加えた。イスラエル軍は世界で最も道徳的な軍隊だ」と強く反発しています。

国連は今月5日時点でガザ地区全体での死者のうち3割あまりにあたる7797人が子どもだとしています。

イスラエル軍は6日、ガザ地区中部にある国連機関が運営する学校を空爆しハマスの戦闘員を殺害したと発表しましたが、ガザ地区の保健当局によりますとこの空爆で子ども14人を含む40人が死亡したということで子どもの犠牲が増え続けています。